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□「そこにある確かなモノ」
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(「視線の先」の続編です)
「そこにある確かなモノ」
俺は今、猛烈に機嫌が悪い。
「待てってっ!!謝るから!土下座するから!!帰んないでください!!」
銀時は万事屋を出て行こうとする土方の腕を掴み、引き止めようと必死だ。
「ウルセェェ!!離しやがれっ!」
…只今、万事屋宅で喧嘩勃発中。
***
事の始まりは屯所にかかってきた一本の電話だった。
「はい。真選組屯所で…」
「あっ!丁度良かった、多串くん?」
「只今、留守にしておりますピーっとなったら、お名前とご用件を言わずにお切り下さい」
「いやいやいや、そんな腹立つ留守番サービスないからね。どんだけ拒否ってんだよ」
「チッ。何の用だ」
イライラしながら問うと、電話口から舌打ちに抗議する声が聞こえる。
「あーもう…面倒くせェな!!用がないなら切るぞっ!」
「うわっひどっ!!誰かさんの看病したせいで寝込んでる病人に…ひどっ!!」
土方がギクリとする。
おいおい…勘弁してくれよ…
「…俺が移したとでも言いてェのか…」
「イエス!だからー看病しに来て下さい」
「ハァ?!」
「約束、忘れてねェよな?俺が寝込んだ時はお前が看病してくれるって話」
「はぁ?!そんな約束した覚えねェぞっ!!」
「じゃ、そう言うことで、よろしくーあ。お土産忘れんなよー」
土方の抗議も虚しく、ガチャンという音を立て電話は切れた。
…あの野郎。
普通に元気そうじゃだったじゃねぇか!!
土方は受話器を叩きつけるように置くと、自室へと帰って行った。
人をおちょくりやがって。
…まさか、マジで寝込んでるってことは、ねぇよな…?
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