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□「甘さ控えめ?」
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「甘さ控えめ?」
ある昼下がり。
土方は煙草を吹かせながらある所へ向かっていた。
はやる気持ちを抑えつつ歩みを進める。
今日は久々の非番だ。
銀時と顔を合わすのも久しぶりだな…なんて考えて自然と笑みがこぼれる。
緩む口元を煙草を持った手で隠しながら、内心、心躍らせていた。
ピーンポーン
チャイムを鳴らすと、すぐに銀時が出迎えてくれた。
「はいはーいっと。いらっしゃい、十四郎。」
「…銀、なんだ?その格好…。」
土方は出迎えてくれた銀時の姿を見て、驚いた。
見事なまでのフリルとレースが施されたエプロンを着て立っている銀時。
「あーコレ?今さぁ3時のおやつのケーキ作ってて。…まっ、とりあえず中入れよ。」
銀時に促され家に上がると、生クリームの匂いが部屋一面に立ち込めていた。
土方は一瞬眉をひそめたが、そのまま歩を進めリビングのソファーに腰を下ろす。
「言っとくけど、これは俺の趣味で着てるわけじゃないからね?」
「当たり前だ。そんなモン本気で着てたら、今すぐここからお暇する。」
「うわー手厳しー。てか、ぶっちゃけコレ、十四郎の方が似合いそ―」
「あァ?何か言ったか?」
「…何でもありません。」
銀時をギロリと睨めば、頬をヒクつかせながら目を泳がせている。
「で、何でそんなもん着てんだ?」
「実はコレ、マゾのストーカーが置いてったやつなんだわ。前使ってやつは定春に破かれちまってよー。今これしかねぇんだ。」
「…そっか。」
次の言葉が続かない。
銀時はただ、置いて行ったものを使っただけ。
そんなことわかってるのに、そいつと銀時が一緒にいた時間があったのかと思うと、どうしても嫉妬心が湧いてしまう。
一度考え出してしまうと、グルグルと同じ事ばかり考えてしまって…
黙りこくって俯いた土方を心配して、銀時が顔を覗き込んでくる。
「十四郎?どした?」
ハッとした土方は、すぐに顔を上げ笑顔を作る。
「いや、何でもねェよ。それよか、ケーキは完成したのか?」
「んー、もうほとんど出来てるから。ちょっと待ってて。」
銀時はそう言うと、台所へと向かった。
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