+ gintoki × hijikata +

□「視線の先」
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ちょっ、コレどうしろっての?!
いきなり倒れたんですけどォォ?!!


さっきまでの威勢はなく、銀時の腕の中でぐったりと動かない土方。
自覚したせいで一気に疲れがきたのだろう…額にじっとりと汗が滲んでいる。
頬にそっと触れてみるとかなりの熱を持っていることがわかる。


こりゃ、マジでヤベーな…


銀時は押入れを探り寝具を一式引っ張り出すと手際よく布団を敷いた。
急いで、しかしあまり振動を与えないように運ぼうと土方の体を抱きかかえる。
…いわゆるお姫様だっこ。


「…んっ」


その直後、小さくくぐもった声が自分の首元で聞こえ、熱っぽい息が肌を掠めた。
ゾクッと背筋を不思議な感覚が走り、ドクンと心臓が跳ねた。
顔が真っ赤になるのが自分でもわかる。


っ…今、の声は…反則だろっ…!


湧き上がる熱を無理やり押さえ込み、土方を布団に寝かせる。
もういっぱいいっぱいだ。
触れてる指がもっと触れたいと動き出すのをグッと堪え、握り締めたこぶしを額にコツンと当てる。


マジ焦ったー…
ってか…よく保ったな俺の理性。さすが俺。


ちらりと横目で様子を伺うと、眉を寄せて苦しそうにかすれた声で呻く姿が映った。
銀時は再び額に手を添えると、そっと優しく語りかけた。


「土方、大丈夫だ。俺が傍にいるから…ゆっくり寝な」


その声に安心したのか、少しすると規則的な寝息をたてて土方は眠りについた。






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