短編
□甘いコーヒーのように
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「どうもコーヒーってのは好きになれねぇぜ」
道大が紅茶を飲みながら言い放つ。賢治は道大の横顔を見ていた
「何故だ?」
「苦いからだ」
「苦いものが苦手なのか?」
当たり前だろ、と呟き賢治のコーヒーに目を向ける
「砂糖を入れればいいだろう…」
「あのなあ…お前のそれ、コーヒーじゃねーから。ただの牛乳+砂糖だから」
賢治のコーヒーは溶けきれない量の砂糖と元のコーヒーよりも二倍の量の牛乳で混ざっていた
「俺も、苦いのは苦手だ」
「俺は甘いのもあんま好きじゃねぇよ…」
賢治は道大の紅茶を見つめる
「なら…お前は甘いのと苦いの…どちらが好きだ?」
「そりゃあ…甘いのだろ?」
賢治は真っ直ぐ道大の目を見つめる
道大は賢治の熱い眼差しに照れ隠しをする
「…愛しているぞ」
「なっ///」
道大は賢治の言葉にあわてふためく