短編
□黒い雨
2ページ/6ページ
次の日、ユウタは風邪を引いた
「研究所には連絡しておいたぜ」
「ありがとう…ゲホッ…」
「何してんだてめーは…只でさえ体が弱いのにあんな事したら風邪引くに決まってんだろーが」
悪態を吐きながらもやはりミチヒロはユウタの事が心配であった
「ミチヒロ…訓練は?」
「今日はサボった。明日罰受けるだろーけどよ…もう慣れたからな…それより…」
ミチヒロは一息ついてユウタに訊ねる
「お前ら…研究所で…何やってんだ?」
ミチヒロの問いかけにユウタは素早く答える
「まだ発表できない…ただ、パールハーバーの復讐…日本に勝つための兵器ではあるよ」
兵器作ってるのか…
ミチヒロは一つ疑問が浮かんだ
「お前…戦争は嫌いなんだろ?なんでそんなもん作ってんだよ…」
ユウタは国の為になどと努力するような小さな人間ではない
本当の目的をミチヒロは知りたかった
だが、ミチヒロの質問に答えずユウタはそれきり黙ってしまう。
体調が悪いのか…と思い、ミチヒロも仕方なくそのままユウタの部屋を出ていく