短編
□俺の特権
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「じろじろ見んなよ思春期野郎」
自分の体を見られるのはいくら男同士でも恥ずかしい
それでもまだ見てくる賢治に道大は若干苛立ちを覚えた
「この変態っ//見るなバカ…」
「変態は貴様だ」
自分に迫ってくる賢治に道大は恐怖を覚えた
「所々に蝋が付着している」
「!!!」
道大の怪我の理由はただの喧嘩ではなかった
道大が慌て体を見ると蝋燭の跡がくっきり残っていた
「賢治…悪い」
道大が悲しそうに賢治を見る
声が少し震えていた
「何故謝る?」
「…俺が…おめー以外の男共に…」
目の前で崩れる道大を賢治は抱き止めた
「貴様は何も悪くない…」
道大の耳元で囁く賢治が温かかった
「お前を守れなかった俺が悪い…」
賢治のきついつり目がどこか切な気になった