シド
□可愛いアイツ
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某日の某スタジオ。
明「マオさん、マオさん!」
マ「ん〜?何、明希??」
練習が終わった此処はマオと明希の二人だけだ。
そこに、人懐こい笑顔で向かってくる明希。
その姿に目だけを送り、またすぐに手元の画面へと視線を戻す。
そんなマオの態度にプクッっと、頬を膨らませながらも、
オーラにはハートが混ざっている。
明「じゃんっ!」
来るや否や、マオと携帯の間へ手に持ってきたものを滑りこませる。
マ「・・・・・・何?」
自分の楽しい時間を邪魔されたので、イラッとしながら視線を送る。
だが、明希は余程聞いてほしいことがあるのか、そんなマオの心境には気付かないで
ニコニコと次の言葉を紡ぐ。
明「携帯、変えたんです!
マオさんと色違い♪」
マ「・・・え?」
更に続く。
明「それでね、マオ魚リップも付けたんだ♪
コレ、使いやすくていいね!」
マ「なっ///////」
ポンッ!と音が聞こえてきそうなくらい急に顔が紅くなるマオ氏。
自分でもそれに気付いて慌てて下を向く。
そして、不敵に口角が上がってしまうのが抑えられない模様。
明「あ、スイマセン・・・
やっぱ、嫌でしたよね。。。」
何を勘違いしたか、怒らせてしまったと思ってストラップを外し始める明希。
カチャカチャと外す音だけが二人の耳を掠める。
今はその音さえも、居心地が悪い。
ガシッ
不意にマオが明希の腕を掴む。
それに反応して、明希の肩がビクッっと震えるのが伝わってきた。
マ「・・・・・外さなくていいよ。」
明「え?」
ポソッと近くにいる明希にも聞こえるか聞こえないかの、小さな声で囁く。
マ「だから、外さないでって。」
明「だって・・・マオさん怒ってるんじゃ・・・?」
そんな明希を見て、イラッとなにかが切れる。
明「痛っ・・・・」
マオが明希の唇に噛み付いた。
マ「俺がいい。って言ってんだからいいんだよ。」
明「マオさん・・・・」
マ「それと、さっきのアレ。
あんな顔していつも、しんぢとかゆうやと居るの?」
明「いや・・」
マ「はぁ、どっちでもいいや。
今度からは俺のためだけにその顔は向けてよね?」
明「は、はい・・・。」
マ「約束破ったら、お仕置きだよ。
それと、二人だけの時は、マオさんじゃなくて・・・・」
そう言って、明希の耳元へ顔を近づけ、わざと行きを拭きかけながら呟く。
マ「マオ先輩・・・だからね?」
明「――・・・っ、マオ先輩//////」
マ「よくできました。
じゃぁ、ご褒美にいっぱい可愛がってあげる。」
そう言って、ゆっくりと明希の背中がソファへ近づいていった。
*END*