アス受け文

□節分
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 あるところに銀髪おかっぱの鬼がおりました
 名前をイザークと言いました
 鬼は山で暮らしていましたが、冬になると食料が乏しくなり2月3日には仕方なく人里に出かけていきました

 

 鬼が里におりると、鬼を見た村人が豆を投げてきました。鬼が村人達を見ると、村人達は投げるのも忘れて豆を置いて逃げて行きました。村人達は鬼に睨まれたと思って一斉に逃げ出したようです。何せ、よく見れば鬼はものすごい美形なのですが、つり目でいつも眉間にしわを寄せているため、村人達は鬼は怖いという印象しかありませんでした
 鬼が置いてゆかれた豆を有難く頂戴して帰ろうとしたとき、一人の娘が目に入りました。髪は藍色で艶があり、瞳は淡い翡翠色、かなりの色白美人です。鬼は一目で恋に落ちてしまいました。
 娘が好きになってしまった鬼は早速山に連れ帰りました

 

 娘は雪深い山の中へと連れていかれました。
 それにしてもと鬼は思いました。大の大人でも鬼を見れば逃げ出すというのに娘は全く怯えもしませんでした。不思議な娘です
 鬼は娘を振り返りました
「大丈夫か?」
 娘は大丈夫だと頷きました。慣れない雪道で娘の頬は赤くなっています。鬼は娘が愛おしくて仕方がなくなりましたが、初めての感情をもてあまし娘から目をそらしてまた歩き始めました。

 

 鬼に手を引かれながら、娘はいつも一緒にいた幼馴染が心配してるだろうなと考えました
 実は鬼の住処を見つけて懲らしめてやろうと大人しく付いてきたのですが、ずっと見ていても、鬼は人間に悪さをしません。乱暴もしませんでした。娘を連れて行くときも
「一緒に来ないか」
 と、聞いただけでした。娘は鬼に対する考えがかわってきました

 

 鬼が娘を連れ帰ってすぐに今来た方向つまり村のほうから暗い気配がしました。黒いオーラがだんだん近づいてきます
「鬼ーーーーーっ!!アスランから離れろぉぉぉぉぉっ!!」
 鉞(ここポイントらしいです)を担いだ男が走ってきます。
「キラ!!」
 娘が嬉しそうに声をあげました。
 キラと呼ばれた男がぶんっと鉞を投げました。鉞は鬼と娘の間をかすめていきます。ものすごい馬鹿力です。人間じゃありえません
「キラァ!」
 鬼と距離が出来た瞬間、娘はキラのもとへ駆け寄って行きました
「アスラン!!」
 どす黒いオーラが消えたキラもひっしと娘を抱きしめます。黒いオーラで気がつきませんでしたが、キラは娘より小さいようです。というか娘が少々高すぎる気がしますが・・・
「おい、チビっ!!娘から手を離せ!その娘は俺のものだ」
 イザークは仁王立ちになって言いました。鬼ですからかなり迫力があります
「はあっ?勝手に連れ去って何言ってるの?アスランは幼馴染で一生一緒にいようねってキスまでして誓いあったんだから僕のものなのっ!!」
 が、キラも怯みません。流石黒いオーラをまとうだけあります
「きっキラッ!!」
 まさかそんな恥ずかしいことまで暴露されてアスランは真っ赤になってキラにしがみ付きました。こうなるとキラは何を言い出すか分かりません。アスランはもう消えてしまいたいとさえ思いました。
「それにアスランは娘じゃないよ。」
「へ?!」
 鬼は固まりました
「娘じゃなきゃ用はないよね?それじゃ僕、アスランつれて帰るから」
 キラは早口に言うとアスランを連れて帰ろうとしました
「ちょっちょっと待てぇ!!」
 イザークはあわてて二人を止めます
「娘じゃなかろうか俺が連れてきたんだから、そいつは俺のものだ!」
「何言ってるのエロ鬼!アスランが可愛いからってさらったくせに!!」
 エロ鬼?!イザークが固まったのをいいことにキラは思い出したようにアスランを上から下まで確認しました
「アスラン大丈夫だった?怪我してない?何もされてない?僕ものすごく心配したんだよ?僕がちょっと目を離した隙に鬼がさらっていったって聞いていてもたってもいられなくて・・・」
 切なげにアスランの頬に手を添えると、アスランもそれに応えるように赤い頬のまま微笑んで
「キラ・・・心配かけて御免・・・大丈夫。何もされてないよ」
 今日は2月3日。雪深い山の中です。ブリザード吹き荒れコッチコチに固まったイザークと違って、二人は常春のようなラブラブっぷりです。そこだけ雪が融け始めてきました
「さぁこんなおかっぱエロ鬼なんかほっといて帰ろう。」
「まっ・・・まてまてまてぇーーーっ!!」
 漸くエロ鬼から復活したイザークがキラをつかみました
「そいつは置いてってもらう」
「キラに乱暴するな!!」
 思わずアスランが二人の間に入りました
「お前は黙ってろ!!」
 イザークに振り払われアスランは転んでしまいました
「アスラン!!」
「いたぁ・・・」
 アスランは怪我をしてしまったようです。あわてて二人が駆け寄ります
「何すんだ!!エロ鬼!!アスランが怪我しちゃったじゃないか!!」
「す、すまん」
 イザークはあわてて謝りました。キラはイザークに激しくくってかかりましたが、すぐアスランの方を向いて
「アスラン、僕がおぶってあげる。帰って手当てしないと」
 アスランは悲しいそうに眉をひそめました
「おぶって雪山を降りるなんて無理だよ。それにもう夜になっちゃう・・・」
 鉞を正確に投げたキラに無理があるなんて思えませんが、アスランはそうは思ってないようです・・・
 そのときイザークは閃きました
「怪我が治るまでうちにいればいいじゃないか。無理して山を降りる必要もあるまい」
「エロ鬼なんかの側に、大事なアスランをおいておけるわけないだろ!!」
「なんだとぉこのチビがぁーーーっ!!」
「二人ともやめろ」
 アスランは深いため息をつきました
「怪我が治るまでここにいるよ」
「アスラン?!」
 キラは悲鳴を上げました
「こいつは鬼だよ!!エロ鬼だよ!!こんなやつの処へアスランを置いておける訳ないじゃん!!」
「鬼鬼うるさいっ!!俺はイザークだ!!・・・?」
 ちょいちょいと袖を引っ張る感覚にふと見ると、アスランがイザークを見上げています。少しばかり瞳が潤んで扇情的なのはイザークの気のせいでしょうか
「すまない。イザーク、怪我が治るまでおいてくれないか」
「!!」
 か、可愛い!!可愛すぎる!!思わず身悶えそうになるのをイザークは堪えました
「も、勿論だ。お前は俺のものだから怪我が治ってもここに居ろ」
(イザークさん、アスランが男だっていうことを忘却の彼方へ捨ててしまったようです)
「だめーーーーーっ!!アスランがここ居るなら僕も残る!」
「何ぃっ?!」
 キラはぴっとりとアスランに抱きつきました
「お前は呼んどらん!!帰れっ!!」
「い・や・だ!!」
「帰れったら帰れ!!」
「いっ痛いっ」
 二人に引っ張られアスランはたまらず声を上げました
「もうっ!!二人とも仲良くしろっ!」
 アスランにへそを曲げられたのではたまりません。二人はしぶしぶ仲直りして、3人で楽しく暮らしたとかしないとか・・・


めでたしめでたし?


 

同居人と昔話の話をしていたら何故かイザアス&キラアスになったので
永久保がつたない文章でまとめてみました
何故か激しく難産でした。書き始めた時何も考えてなかったしな・・・
文体が定まらなくて何度も書き直したし(滝汗)
やまなし、おちなし、いみなし。ギャグにもなってないし(滝涙)
もうアスランさえいれば万事OKな私_| ̄|○|||
同居人曰く「秋から春までさらわれた娘に何もないわけないじゃん」
ソンナオソロシイツッコミシナイデクダサイ
初up2005,2,10
ラストup2005,2,17

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