アス受け文

□冬の余暇
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 白い景色の中アスランは立ち止まった。そう、こんな白い世界に来たのは久しぶり

 空気が刺すように冷たく、息は白かった 

「アスラン、どうしたんですか」
 立ち止まっているアスランにニコルが声をかける。ニコルの後ろにディアッカ、イザークが続く
 最後のミーティングが終わって皆別棟の自分に割り当てられた部屋へ向かっていた。
 寒冷地の訓練とは名ばかりの慰安旅行なので自由な時間が多い

 さくりと足元の雪を掬う。冷たい感触を味わう

「懐かしいなと思って」
「アスランは来たことあるんですか」
  ニコルが小首をかしげる。二人の様子に気づいてイザークとディアッカも立ち止まった
「幼馴染と雪で遊んだことがあったんだ」
 わずかに緩んだ表情を三人は驚きとともに眺めた。普段、無表情だのアイスドールだの言われるアスランの表情が変わるのは珍しい。笑みに僅か苦味が混じっていたことは誰にも気付かれなかった。
 プラントに雪は降らない。雪を楽しめる人間はそう多くない。一部の上流階級か地球の雪の降る地域に住んでいるもののみだ

 アスランが雪球を作り軽く投げるとそれはイザークに当たった。不意をつかれたらしくもろに頭に当たる
「ぶっ・・・」
 それを見ていたニコルとディアッカは笑いを堪えるのに必死だった。大っぴらに笑ったらイザークの怒りの矛先がこっちに来るのは間違いない。いつものアスランなら謝りそうなところだが、あまりにもまともに食らったイザークにアスランは笑い出した。
「き、さぁまああああああ」
 怒りに震えるイザークを見てアスランは笑いながら雪の上を走り出した。

 いつも冷静沈着なアスランが笑ってる。しかもイザークをからかって・・・。普段より高い声。そんな声も出せるんだ。思わず声に出たようでニコルがディアッカを見上げた。小さな秘密を共有したように二人は口の端をあげた

 雪は新雪で踏むと膝まで沈んでしまう。その中をアスランはどんどん進んでいき、イザークがその後を追った。二人とも雪に足をとられスムーズに進めない(訓練の成果が出てませんよ)そしてイザークは相変わらず奇声を発してる
「アァスラァアアアアンン!!っぶべし!!」
 突然アスランは振り返るとイザークに向かって雪を投げつけた。雪玉になっておらず粉雪が舞ってイザークの視界をさえぎる。相変わらずアスランの笑い声が聞こえた
「貴様ぁ!!もう勘弁ならん!!」
 イザークが勘弁したことがあったろうか。イザークも足元の雪を掴んで投げつけた。それが雪玉を作っていたアスランに当たる
「やったなー!」
 アスランも負けじとイザークに投げつけた。ここからはもう激しい雪玉の応酬が始まった。腐ってもザフトナンバー1とナンバー2であるスピードが並じゃない。

「なんか楽しそうですね」
 ニコルが呟いた。そうだなとディアッカも応える。
 アスランの楽しそうな子供っぽい姿は普段のストイックな彼から全く想像出来ない。最初怒っていたイザークも楽しんでいるのが分かる
「俺たちも行く?」
 にやりとニコルを見れば、ニコルも挑戦的な笑みを浮かべた

 

 1対1の雪合戦は2対2になった

 

 1時間後にはアンダーまで雪で濡れた4人がいたことを記しておこう 


 

 

 

 

 

 

 

本編があまりにもアレだったので
ほのぼのさせたくなりました
妙にニコルとディアッカが仲良くなっちゃった(笑)
とりあえず冬のうちにやっとけ!みたいな(笑)
初稿2005.3.28
ちょっとだけ文を追加
ラストup2009.2.26

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