短編

□Beloved Flower
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「新渡米さんの好きな花って何ですか?」

そう聞いてくるのは俺の後輩。
白銀に染めた綺麗な髪。
(地毛は栗色だ。何で知ってるかは秘密だけど…)
頬に鳴門。
それに愛くるしい笑顔が似合う後輩。

「ん?何で?」

今は部活の帰り、帰る方向ってか家は歩いて五分要らない近さだ。
そして、花もない唯の道路。

「えーと…何か急に聞きたくなって。」

駄目ですか?と首を傾げてくるのもなんとも可愛らしい。
実は喜多は男にもモテる。
だが、天然だから分かってない…

「んー…そうだなぁ…」

悩むと顔を覗きこんでくる。
だから、その可愛い顔をやめろと!
可愛すぎるんだよ…

「彼岸花。」

一瞬きょとんとした顔をする。
確かに、珍しいよね。

「彼岸花…ですか?」
「そう。」
「あの真っ赤な?」
「マンジュシャカとも言われてるんだ。」

他にも色々と中には酷い名前もあるが、百通りぐらい名前があるらしい。

「あ、ツツジとか、椿も。」
「ツツジに椿…」

真剣に聞いてくれる喜多。
それが嬉しくて嬉しくて俺には堪らない。

「後はボケの花。」
「ボケの…あれ?」

喜多が首をかしげる。
何か悩んでるみたい…

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