3万HIT記念リクエスト
□A lie isn't told to my heart
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「…私?」
「そ。なんか織姫に話があるんだって。…三年の女子に呼ばれるなんて、なんかありそうだよね…アタシも一緒に行ってあげようか?」
「だ、大丈夫だよ!じゃあちょっと行って来るね!!」
努めて明るく…不安な顔は、たつきちゃんに見せないように。
…上級生の女子に呼び出されるのは…中学生の頃、いじめられていたことを嫌でも連想させる。
あの頃はたつきちゃんに守ってもらってばかりで…きっとたつきちゃんもその記憶があるからこそ、気遣って優しい言葉を掛けてくれたんだろう。
でも今は…“私”が“たつきちゃん”を守ると決めたのに、私が怖がる訳にはいかない。
『…屋上…だったよね』
…どうして呼び出されたのか…全く理由が思い付かない。
迷いの中、私は階段を昇ると…屋上への扉を開けた。