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□A lie isn't told to my heart
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「そっか…今朝そんなことがあったんだ」
話を聞けば…たつきは朝練、水色は風邪など、様々な“偶然”が重なって…俺と井上の“出会い”があったらしい。
「…そういや、なんか俺に話したいことがあるんだろ?」
…先程から強ばらせた表情を崩さないたつきに、当初の目的を確認する。
「…うん。正直…どこまで関係があるかはわからないんだけどね」
『…?関係?』
「昨日の放課後…織姫が先輩の女子に呼び出されたの」
「なっ!?」
「…アタシもついて行こうかと思って聞いたら、織姫に全力で断られてさ。織姫の気持ちを考えて諦めたんだけど…“今朝からその調子だった”ってことは…」
「…間違いない…だろうな」
…とは言え…まだ違和感を拭い去ることはできない。
いわゆる“いじめ”だとしたら、自分の手に負えないと判断した時点でたつきに相談するだろうし…なにより、俺を避ける理由がない。
「アタシが織姫に聞いても、“なんでもない”って言うだけで…今回のことに関しては、どういうことなのかさっぱりなんだよね…」
“元凶”は…なんとなく見えてきた。
…ただ、肝心の“俺”との関係性がさっぱり見えてこない。
「…それだけ判れば充分だ。サンキュー、たつき」
「ちょ、ちょっと待ってよ!…これから…どうするつもり?」
「……決まってるだろ?」
俺にできることは…ただ一つ。