3万HIT記念リクエスト

□A lie isn't told to my heart
6ページ/9ページ

「そっか…今朝そんなことがあったんだ」

話を聞けば…たつきは朝練、水色は風邪など、様々な“偶然”が重なって…俺と井上の“出会い”があったらしい。

「…そういや、なんか俺に話したいことがあるんだろ?」

…先程から強ばらせた表情を崩さないたつきに、当初の目的を確認する。

「…うん。正直…どこまで関係があるかはわからないんだけどね」

『…?関係?』

「昨日の放課後…織姫が先輩の女子に呼び出されたの」

「なっ!?」

「…アタシもついて行こうかと思って聞いたら、織姫に全力で断られてさ。織姫の気持ちを考えて諦めたんだけど…“今朝からその調子だった”ってことは…」

「…間違いない…だろうな」

…とは言え…まだ違和感を拭い去ることはできない。

いわゆる“いじめ”だとしたら、自分の手に負えないと判断した時点でたつきに相談するだろうし…なにより、俺を避ける理由がない。

「アタシが織姫に聞いても、“なんでもない”って言うだけで…今回のことに関しては、どういうことなのかさっぱりなんだよね…」

“元凶”は…なんとなく見えてきた。
…ただ、肝心の“俺”との関係性がさっぱり見えてこない。

「…それだけ判れば充分だ。サンキュー、たつき」

「ちょ、ちょっと待ってよ!…これから…どうするつもり?」

「……決まってるだろ?」


俺にできることは…ただ一つ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ