ショートストーリー
□時計仕掛けの葡萄(ぶどう)
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「濃霧注意報が出ているな」穂田安雄(ほだやすお)と見沼強(みぬまつよし)はランドクルーザーを駆って山道を走っていた。
穂田が車を運転している。
穂田の山荘へ行く途中である。
「だいぶ霧が濃いな」見沼は言った。
しばらくして二人は山荘に着いた。
午後8時だった。
「日本は政治とマスコミがだめだから」見沼は背中を椅子にもたれながら清涼飲料水を飲みながら言った。
「寒いな」穂田は言った。
「ストーブつければ」
穂田はストーブをつけた。
「悪魔だよ」穂田は言った。
「まさに」
「フランスパン食うかい」穂田は言った。
「僕はいい」
穂田はフランスパンを出して食い始めた。
穂田も見沼も山々などを持つ資産家である。
二人とも自由に生きている。
「残酷だけはいやだね」穂田は言った。
「マスコミの犯罪行為に巻き込まれないように」見沼は言った。
「うん」
「マスコミも怖いけど、国も怖いよね」
「うん、国が何と言っても怖いよね。政治家がね。悪いよ、日本は」
「うん、ほんとにね」
「憲法だけがある」
「うん。酒少し飲もうかな」見沼は言った。
「ワインがあるよ」そう言って穂田は、棚から白ワインを一本取り出した。
穂田はワイングラスを2つ、木製のテーブルの上に置いた。
「飲もう」見沼は言った。
「君のhomepageのstory、とてもいいよ」
「うん」見沼は言った。
「日本は自由が効かない。権力という悪魔の餌食になる」
「受刑者」
「日本のhomepageの作者って何千万人っているよね」
「眠くなった」
二人はやがて睡魔に襲われて眠ってしまった。
(おわり)