〜小説〜【江戸】


□月の下の雪
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〜序章〜



それは遠い記憶

一番綺麗だった時間



しょーようせんせー・・・―――

せんせーまた、銀時が寝てるよ・・・―――

銀時!貴様、起きぬか!!―――

・・・銀時、こらこら・・また寝てましたね?まったく―――









せんせーっ!!!!――――

誰かっ、先生を助けてー・・・っ―――

先生・・・?・・・―――





「銀さん! ・・・銀さん・・?・・」

「銀ちゃーん? もうお昼ヨ・・あ・・」

「ん・・・わーったよ、どーした?そんな狐に摘まれたような顔して」

そう言うと体を起こしながら自分の前で口を開けたままの二人を見ながら問う

「銀ちゃん? 怖い夢でも見たアルか?」

「銀さん、気付いてないんですか? 泣いてますよ?」

変な事を言う子供二人に弁上して己の目元を触る

「・・・あ・・・ホントーだ・・・」

昔の夢を見た・・・

幸せだった時の夢

絶望の始まりの夢

「悪ィ・・・もうちょっと寝させてくれ・・・気分が悪ィーんだ」

そう言うとまたソファーに寝転んで



「・・・わかりました。 風邪薬でもあとから飲んでた方がいいですよ?神楽ちゃん、じゃあ買い物行こっか」

「うん・・・」

気を使ってくれたのだろう玄関を抜ける音がすればまた眠りに落ちる





「銀時・・・」

この声は

「何故、お前は狂わない・・・」

この声は愛しい人の声

「一番強いお前が一番狂わねーでどうすんだ・・・」

あの時何も言えなかった

「どうして・・・!!」

―――ドサッ――

あれ?なんで目の前に高杉がいるんだ・・・?

これは夢のはずなのに・・・

俺の昔の夢・・・

「銀時・・・お前が狂わねーなら俺が狂わせてやるよ・・・クク・・・」

どうして俺が高杉の組み敷かれてんだ・・・?

「高・・・杉・・・?」

これは・・・夢のはずなのに





〜序章〜 完
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