〜小説〜【江戸】


□嫉妬
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「トシィィィ!」

「!?土方さんッ!」

近藤さんと総悟が叫んでいる

ハッとした瞬間、背後から敵が来ていた

――間に合わない!!――


―――ザシュッ―――


・・・?・・・!?・・

「山崎!・・・お前!」

山崎が俺を庇っていた奴の右腹からは大量の出血

駆けつけた総悟が敵を斬っていく

「副長・・・よかった、で、、す・・・ゴホッ、ケホッ、・・・」

「山崎!しっかりしろ! オイ、救護班!」

呼びつけた救護班に山崎を任せ敵をなぎ払っていく

浪士の粛清も終わったころ山崎の手当てはしたが目が覚めなければ無理だと聞かされた

山崎の部屋に行くと手当てを済み、横になっている奴がいる

「オイ・・・山崎、起きろ」

起きるはずがない

「起きろよ、山崎・・・お前が死んだって墓なんか作ってやんねーぞ」

俺のせいだ

「・・・・・・」

俺の・・・

「それはないですよ、副長」

「山崎!、お前・・・寝たふりでもしてたのかァァ!?」

「いや、違います!今、起きたんです!」

いつものように殴られると思ったのだが上げた拳を副長は下げた

「・・・飯、もってきてやるよ・・・」

そう言うと部屋を出ようとして後ろを向く

「副長が!?・・・もしかして負い目を感じているんじゃ・・・?」

「そんなんじゃねーよ」

「副長、俺達は局長と副長のために命をかける アンタは局長のために命をかける 俺はしてあたり前の事をしただけです。アンタが負い目を感じることなんてないんですよ?」

身を乗り出し相手の背中に語りかける

「山崎ィ・・・俺と近藤さんの命のために隊士やお前が死んでいくんだとしたら真選組なんてやってらんねーよ・・・この意味わかるか?」

「わかりませんよ・・・俺なんて沢山いる隊士のなかの一人にすぎないんです・・・隠密という特別なのについているから他の隊士より近くにいるってだけのこと 俺ひとりが死んでも真選組はやれるんですよ?」

「・・・確かに隊士は沢山いる、しかし真選組、山崎退はお前だけだろ?」

そう言い終われば部屋を出て行ってしまった

「わかりませんよ・・・副長・・・」

まだ痛む傷をかかえ布団のなかに潜り込んだ

 
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