〜小説〜【江戸】


□憎しみ
1ページ/1ページ




まだ絶えない黒い感情

殺して・・・殺して・・・

溺れたくない

代わりなら誰だっているはずなのに

「アレ?沖田さんじゃないですか」

巡回と称して奴から逃げてたらこんなところまで・・・

「よォ 志村弟」

軽く手を上げて挨拶をする

「こんにちは 新八でいいですよ」

「ん、じゃあ新八君 ちょっとお邪魔していいですかィ?」

そう言って万事屋を指差す

「え、いいですけど・・・」

どうしたんだろう…この人がここに来たいなんて珍しい

「銀さーん いますかー?」

玄関を上がっては叫ぶ新八

「いや、旦那に用があるってわけじゃねーんです」

そうすると振り向き不思議そうな顔をする相手

「・・・今、理由は言えねーけど屯所に帰れねぇんです」

「はぁ・・・」

「だからちょっとの間ここの子供にしてもらおうと・・・」

「ぇぇええ!? え、ちょ、え、困るよォォォ!!」

目をこれでもかとくらい見開きやや泣き目になっている

そんなに家計が苦しいのか・・・

「大丈夫でさァ 金ならありますんで」

財布を振りニヤリと笑う

「んー、それなら・・・でも銀さんがなんて言うか」



――ガタガタッ――


「・・・なんか凄い音が・・し」

そういうとダッシュで新八が奥へと向かう

「神楽ちゃんッ! だから定春と一緒に押入れに寝たらダメって言ってるでしょ!」

「ケチィ〜定春が一緒に寝ないと死んでしまうって私に訴えたからネ 新八は定春が死んでもいいアルか?」

「はァ〜とにかく着替えて神楽ちゃん 沖田さんが来てるんだよ」

そういうと突然顔色を変えて

「なにぃ!サディストがここに来てるアルかァ!塩、塩を早くぅ・・・んぐッ」

「うるせーよ一般市民はまだまだ寝る時間だぞー」

銀時が寝巻のまま神楽の頭をチョップする

「いえ、もう一時なんですけど…一般市民は起きて仕事をする時間です」

すばやく新八がつっこみを入れて神楽を抑える

「・・・・・・」

この家族、いやこの関係はなんなんだろう

面白くない・・・

「あ、すみません沖田さん放っておいてしまってちょっと待っててください」

「あり? 総一朗くんどーしたの?以来?」

「総悟です いえ、ここの子供にしてもらいに来ました」

「はァ!? 冗談キツイアルえーとぉ今日は何日だったっけぇ?」

寝癖のままムカつく顔でこっちを見てくるチャイナ娘・・・ウゼー・・・

「だから旦那ここに住ませてくだせェ」

「うーん、でもここ貧乏だよ?」

「承知の上でさァ それに金なら俺も少し持ってますぜ」

財布を銀時に渡して笑う

「・・・!?い、いやぁ〜君、しばらくここに居てくれたまえ」

ニコニコしながら沖田の肩を叩き家へと招き入れた


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ