〜小説〜【3Z】
□向日葵
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「そーちゃん、知ってる?人はね恋をするとね…とっても素敵になるのよ」
「えぇ!? 信じられないけどお姉ちゃんが言うなら本当なんですね・・・」
「ふふっ、そうよ そーちゃんもいつか今よりうんと素敵になるのねー…見てみたいわ・・・んっゴホッケホッ、ッコンケホッ・・・」
「お姉ちゃん!大丈夫ですか!?」
「ええ 大丈夫よそーちゃん、ちょっとムセちゃっただけだから」
「・・・そうですか・・・やっぱりお姉ちゃんだけを此処に残して学校に行くなんてできません僕!」
「相変わらす心配性ねぇそーちゃんは…私は大丈夫よそれに病院だし、何も心配はいらないわ」
「でも・・・僕・・・」
「私はそーちゃんに学校に行ってほしいの」
「わかりました・・・では、お元気でお姉ちゃん・・・手紙たくさん書きますんで・・・」
「はいはい、いってらっしゃい そーちゃん」
そうやって笑顔で微笑みながら送ってくれる優しくて暖かい人
姉は昔から体が弱かった
いつの俺のことに構ってくれてて
だから、ムリしてバイトや内職をして俺を育ててくれた
親がいない子供を子供が育てるなんて今の時代じゃ考えられないのに
施設に入れれば自分だけは楽な生活ができたのに
それでも俺を見捨てずに育ててくれた姉
でも家から一番近い学校なんてここしかなくて病院に行くまでに電車を三本乗り返さなければならない
俺はお姉ちゃんの近くにいたかったけれど学校に行ってほしいと姉が思うなら俺は行く
そんな事を決意して三年目、
この3Zというクラスに俺は毎日を過ごしている
このクラスには不愉快なものが沢山だ
一、土方 二、チャイナ娘 三、なんかみんなウゼー
「ふぁぁ〜・・・眠ィ・・今日はどこでサボっかなァ」
いつものように欠伸をしながら教室へと入る
いつものように騒がしい教室
アレ?近藤さん、今日は首締めされてる・・・朝から丈夫なお人でィ・・・
席に座ると何かが頭にぶつけられる
「イタ・・・んだコレ・・・?」
寝起きのためにあまり大きなリアクションを上げられないため小さく呟いて
「キャッホォォォ!!!!サドの馬鹿頭に直撃アル!」
その頭に当たった丸めた紙を見てみると中に石を入れて直撃したときのダメージを上げたものと文字が書き込まれていた
『この丸紙弾に当たった奴は馬鹿』
・・・
「チャイナァァァ!お前ェにだけは馬鹿って言われたくねェェ! だいたい丸紙弾ってなんだよ!うぜーよ!そのネーミングセンス!」
そう言うと机にあしを掛けてチャイナに向けて腕を遠心力と脚力を使って力一杯投げる
「ぐぇぶッ・・・クソサドォォ! れでぃーの顔に当たったらどうするアルか!?」
見事にヒットしたらしく肩を大事そうに撫でている
「お前ごときがレディー?お前ェホントーにレディーの意味わかってんですかィ? もし、そうだとしたら世の中ゴリラだってレディーでさァ」
「なぁっ!!ふん!私のよさはお前にはわからないネ! ていうかぁわかってほしくないアル」
腕を組んで憎たらしい顔をすれば顔を背ける神楽
「誰かわかる人はいるんですかィ? そりゃあ初耳でさァ 世の中物好きもいるんですねィ」
顔をそむける相手にコッチも背けて対抗する
一時の沈黙それから・・・
キランと瞳が光った―――ドカァッッッ!―――
「チャイナァァァ!!死ねェェェ!!」
「サドォォォォォ!!死ねェェェ!!」
ぶつかり合おうとしたその時
――ガラッ――
「おーい、いつもながらウルセーぞー元気なのもいいが教室で暴れるのはやめろって何回いえばわかるんだー?アレ?今ちょっと俺を良いこと言ったよ言ったよね?…ん?ぐあッ!!」
神楽と沖田の渾身の一撃を銀八にクリティカルヒットする
「あ」
「あ」
二人は綺麗に着地して腹と腿をかかえる担任を見つめる
「銀ちゃぁーん!どうしていたアルか!こんなサド庇わなくてもぉ〜」
少し大げさに泣き真似をして銀八に寄りかかる神楽
「あ、てめッずりィーぞ・・・先生ィィィ!こんなクソチャイナのために盾になるなんて馬鹿でさァァァ!!」
と同じように泣き真似をする沖田
白目を向いてKO(ケーオー)している担任を見て新八が「あ、コレやばいんじゃね?」と思い出して銀八は保健室行き
この時間は自習となった