〜小説〜【江戸】


□君の暖かさ
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夢なら見たくなどなかった


なくなりもせず、見えたりせず胸のどこかにあればそれでよかった


澄んだ水の小さなほとりに子供が小石を投げて遊ぶように


その小石はもう二度と上がってこないがそこにずっといれる


その池がなくなるまで


その池にずっと


まだ背中が温かい・・・

ミツバ・・・

俺はあの時何て言えばよかったのだろうか

どうせいなくなってしまったのなら・・

どうせ夢なら・・・










「ひっじかたさ〜ん俺の仕事やってく・・・だ・・・・・」

ガラリと音を立てて抱えきれないほどの書類を持ち障子を開ける

「隊長・・・副長はお休みになっているんですよ?・・・隊長?・・・・・・」

それを止めるように山崎が入ってくれば隊長が何かを見つめている

「本当に今日は珍しい日でさァ・・・“泣く”なんてねィ…夢ん中のぞいてみてーぜ」

嫌味のように言い捨てて持ってきた書類を乱暴に机の上に置くと二人は部屋を後にした











――――ミツバ・・・愛してる・・・―――



  
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