〜小説〜【江戸】


□碑蝶螺
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「おはよーぅ、高杉 朝飯できてんぞ」

珍しく俺よりはやく起きたらしい銀時が起こしに来た

「ふぁ〜あぁぁぁ・・・まだ眠ィ・・・」

「起きた、起きた! これだから晋ちゃんは〜」

冗談を言うように近寄り布団を剥ごうとする

「誰が晋ちゃんだ!・・・寒ッ!!」

布団を剥がされ銀時の開けた窓から風がふく

「早く起きろよ 高杉ー」

寒がって体を小さくする相手にクスクスと笑いながら顔を覗き込む

「うるせーなんで今日に限ってそんなしつけェーんだよ!俺ァ眠ィーんだよ寝かせろっ!」

覗き込んでくる銀時に少し動揺しながら布団を新しくだすと潜り込もうとする

「あ、てめッ!・・・あぁぁあぁ、もうッ今日はお前の誕生日だろ!?」

潜りだす相手にめんどくさくなり叫ぶ

「・・・え?、今日はナンニチ? つか、お前そんなことのために早起きしてたのか?」

布団から顔だけだして問う

「なんで片仮名? そんなことってなんだよ!お前の・・・じゃなくて食い物のためだよ!」

「ぷ、、お前、いや なんでもねェ…食い物かじゃあ、行くとするか」

着物に着替えると坂本とヅラが割烹着の姿で出てきた

「うわっ い、意外に似合うな・・・」

「そうじゃろ〜銀時がどっからか持ってきたんじゃ」

「似合わない 武士たるものがこのような姿今日だけだからな」

そんなやり取りをしていると銀時が抜け出そうとしている

「銀時?何してんだ?」

ビクッとしてこちらを振り向く

「い、いやちょっと小便に・・・」

「そうか・・・」

そう言うとそそくさと行ってしまった

「では。俺達は酒と飯の準備をする 高杉は銀時が妙なことでもしないか見てたらどうだ」

ヅラがそう言えば坂本も頷く

「銀時、今日は妙にそわそわしとるからの〜」

「ふぅ〜ん んじゃあ行ってくる」

そう言うとヅラと坂本は行った

「銀時〜?」

どこに行ったんだ? アイツ・・・

そうすると近くでヒソヒソと話し声が聞こえてくる

そっと覗くと銀時がいた

「ぎんと・・・!!?」

そこには知らない男に銀時が犯されているような光景が目に入った

男相手に喘ぐ銀時

ショックでその場から動けなかった

少しすると服を着て林から出ていく銀時の姿

 追うように出ていく

「銀時!!」

「ん? 高杉かどうしたの?そんな急いで」

平然と俺に話しかける奴

「あ、悪ィけどちょっと用があるんだ あとでな」

話も聞かずどこかに駆けて行ってしまった

「高杉・・・見ただろう」

振り向くとヅラがいた

「ヅラ・・・」

「ヅラじゃない桂だ ああやって銀時が小金を稼いでいるんだ この割烹着だって奴が拾ってきたのではなく買ってきたのだ」

「なんでだっ!? どうしてそこまでしなければならねェ!」

顔を歪めて叫ぶ高杉

「銀時自身はまだ気付かれてないと思っているらしい 最初は坂本が見つけたんだ」

「坂本が?」

あの鈍感そうな顔で鋭いところをもつ坂本奴ならそうかもな

「ああ 銀時が林に駆けていくのを見て追ったらしい どうやら銀時は男婦になり毎日別の男の女旱をとってやってるみたいだ・・・」

顔をそむけて辛そうにいうヅラ

「・・・金がねェのか?」

「・・・ああ 今は銀時が自分で拾ってきたという金でなりたっているくらいだ」

「・・・」

「今は耐えてくれ 高杉・・・もうそろそろ帰ってくる 飯の用意もできた基地にはいろう」

「・・・わかった」

いつのまにか夕方になっていた空を見上げて基地に向かった


 
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