〜小説〜【3Z】

□向日葵
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最近思うことがある

チャイナの…神楽の銀八を見る目が俺を見る目と違うこと

そりゃあアッチは大人で先生っていう立場だし当たり前の事なんだろうけどそういうのとは違う

そう、恋する目だ

別にアイツが誰を好きになろうと知ったことではないのに

何故か目で追ってしまう

だから気付いたのだ

見てしまった

見てはいけないものを見てしまったようなそんな感覚に落とされた

“見たくない”そんな感情があったにも関わらず俺は写メを撮ったのだ

なんだろう・・・この感情は黒い感情にもよく似てる

でも、違うのは俺自信がモヤモヤして…言えば「欲」だ

欲しいものがある?

この胸の中でモヤモヤモヤモヤ・・・気持ち悪い

アレを見たからだと己のどこかで何かが叫んでいた

確かめよう…だから俺はゲームをする

「なぁ・・・チャイナァ・・・お前ェ銀八のこと好きなんだろィ」

放課後の教室

部活をサボるのはいつものことだから誰も不思議には思わない

「は、はァ!?何いってるアルか!お、お前この暑さでとうとう頭パーンなったアルか?」

言った瞬間頬を紅潮させてどもる神楽

「・・・パーンなってんのはお前でィ・・・じゃあ証拠みせてやりまさァ」

あの時に撮った写メを画像ファイルから捜して神楽に見せる

「―――!!?―――」

そこには職員机の上で居眠りをしている銀八の頬に口付けをしている神楽の姿が鮮明に写っていた

「いけないんだぁ〜相手は先生ですぜィ? もしかして本気だったりしますかィ?」

「・・・」

何も言わず俯く神楽

これは本気・・・ですねィ・・・

どこかがズキンと痛む気がした

「・・・チャイナァ俺とゲームしやせんか?」

相変わらず俯きながら口を少し開けて

「・・・ゲーム?」

「そうでさァ、これから一ヶ月・・・放課後残ってお前が俺にキ・スするだけでさァ」

人差し指で唇をなぞりながら言う沖田

「なっなんでサドとなんかキスしなきゃいけないアルか!?」

「ゲーム・・・でさァ」

携帯を見つめながら言って脅すように

「バレて困るのは銀八ですぜィ?」

「くぅ・・・ッ!」

悔しそうに唇を噛む神楽

それでもコクンと小さく頷くのを確認すればニヤリと笑い教室を後にした

神楽は羞恥と屈辱と悔しさに呑まれてその場に座りこんだ

どうして――

こんなことしたってアイツにはなんの得もない 寧ろ言いふらす方がアイツにとっては楽しいはずだ

なのに・・・

気付くと涙が流れていてメガネだとよく見えないビン底メガネをはずして 帰ろうと準備をする

「神楽・・・?」

音もなくそこに居たのは銀八だった

「ぎ、銀ちゃんいつからそこに居たアルか!?」

バッと涙が流れているまんまの目を擦って問う

「いや、生徒が残っていないか巡回してたんだけどよ〜お前、早く帰れよ?」

「う、うんっ わかってるヨ!じゃあネ!」

スクールバックとメガネを急いで持って教室から飛び出した

「・・・」

珍しくメガネをしていない目は赤くなっていてとても辛そうな目をしていた


 
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