シナリオ用語事典

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【空巣法 (あきすほう)】
゛カットバック法゛の一つ。現実では長い時間を必要とするもの、これをこのままやっていたのでは 観客が飽きてしまう場合につかいます。

例えば ある政治家が講演の途中で殺されてしまうという 場面を想定してみましょう。

1男、演壇にあがって紹介される。大いなる拍手、男、講演をはじめる。
2男、延々としゃべる。
3刺客、突然、演壇にかけ上がって男を刺す。場内騒然。
4男、かつぎこまれる

しかし、2の「男、延々としゃべる」を全部映しては大変つまらないものです。そこで、どうすれば良いでしょう。

1男、演壇にあがって紹介される。大いなる拍手
2陰謀団の巣。首領が刺客を出して、その結果をいらいら待っている。
3刺客、突然、演壇にかけ上がって男を刺す。場内騒然。


つまり 延々たる講演の代わりに 陰謀団の巣を入れたのです。(カットバック)

延々たる講演の代わりに、「空間的に異なった」ものを入れる事で、いかにも延々たる講演の後に、という感じがでます。

これが空巣法です。

関連
スリ法
カットバック法

【後説 (あとせつ)】
張り手を使うとどうしても結果が先に出てあとで説明しなければなりません。

そもそも説明ということが、小説、漫画、ストーリーではまったく迫力をなくす元である上に、しかも、それもあとからの説明ですから、いよいよ迫力をなくすのです。


毒消し法としては

それを 和らげるためには、感情の動きの中で説明する事です

たとえば、ラブシーンをしながら、その説明をしたり、逆に怒鳴ったり喧嘩しながら説明すると、説明っぽくはなりません。

つまり説明を、感情の場面の中で説明すれば、そうは見えません。


関連
張り手
毒消し法

【アンチテーゼ (あんちてーぜ)】
起承転結における、転(テーマ)のために起に入れる物。

アンチテーゼとは テーマとは反対の意味を持つ物です

例えば 「友情は素晴らしいものだ」というテーマを転で読者に考えさせるのなら

起で「友情なんてくだらないものだ」とアンチテーゼを表現させておく必要があります


ストーリーはドラマ、対立なので このアンチテーゼがあってこそ、要約テーマの意味を知る事が出来ます

【カセ (かせ)】
カセとは 目的の障害の事。

キャラクターの目的や行動には必ず邪魔になる物がなければなりません。

邪魔の力が強いほど良いです

それを乗り越える事に意味があるのです

主人公達の恋を邪魔をするライバルもその一つと言えますが

人物だけには特定されません。

社会風習や、物理的にでもカセになります。

【カットバック法 (かっとばっくほう)】
漫画やドラマで時間を省略させる方法。(シーン、場面の切り替わり)


「二つの場面の時間的きりかえし、ストーリーの進行中、空間的に異なった事件や動作を対象的に交互に出して、その相克によって劇的に盛り上げる技術。」

つまり

「シーンを挟んで時間を省略させる事」

何やら難しいですが…、何気に見てるはずです



主に二つあります
1人物の出入りを盗む(スリ法)
2ストーリーの進行中に忍びこんで、時間を盗む(空巣法)

【スリ法 (すりほう)】
カットバック法の一つ。
人物が出入りするとき、素早く時間を盗む方法。


例えば...

ある男が、講演をしています。そしてそれが終わってから、放送局で打ち合わせします。この出入りを、仮に時間を盗まないで、リアルに追ってみましょう。


1男、講演を終る。
2男、廊下に出る。
3男、玄関に出る。
4男、道に出てタクシーを拾う。
5男、タクシーに乗っている。
6男、タクシーを放送局の前でおりる。
7男、放送局の玄関にはいる。
8男、放送局の廊下をあるく。
9男、放送局の部屋のドアの前にきてあけて入る
10男、部屋の中にいた放送局の人と会う


という事になります。こんだけあると 長くていらいらしますね。

そこで

1男、講演を終る
2放送局で相手の人が待っている。
そこへ男がやってくる。そして打ち合わせに入る

と、こんな具合だとどうでしょう。男のほうばかり追わずに、相手の方から出る。つまりカットバックです。こうすると不思議なもので、その間、男がいないために、時間を省略しても、不自然ではなくなります。

関連
空巣法
カットバック

【対立セリフ(仮) (たいりつせりふ)】
ストーリーは"対立する事"がドラマをわからせ、その上進行させて行く゛基本的゛なものです。

対立しないストーリーはつまらなすぎて、へどが出ます。

セリフを面白くする方法としても、対立は必要です。

例えば

「この部屋汚いので掃除してください」

「ぜひぜひ」


なんとつまらない会話でしょうか。

「僕は君が好きだ」
「あたしもあなたが好きよ」

こうなると、ひどすぎます。簡単に成功してしまう所が興味をそそりません。


それではどう表現すれば良いでしょうか。

掃除をさせる表現する場合なら、一度否定すれば良いのです


「部屋が汚れているので掃除してください」

「でも今忙しいので無理」

「でも早くしないとお客がきますから」

「仕方ない。わかりました」


極端ですが これならまだマシになるでしょう。

漫画やドラマを見ていてもわかりますが
(新人とかテクを知らない、つかわない作家もいるので注意)

確実に一度以上、否定してます。よく見ていれば気付く人も多いと思いますが…

【ツンデレ (つんでれ)】
好きという言葉を直接伝えず、あえて嫌いというとかが 一般的。

ようは、言いたい事は読者にわかってるのに、わざと反対と言う事です。(反対セリフという)

この反対セリフは キャラクターの個性や、感情のリアルティーの上昇等 良い事ずくしです。

人は嘘つきです。
ただ好きと言われても、もしかしたら嘘かもしれませんし、感情もストレートすぎて浅い感じます。

でも わざと好きを嫌いと言う事で 人間味が出ますし、好きという感情がさらに大きく出ると思いませんか?

ちなみにツンデレ手法は、かなり昔から使われていたみたい。

もちろん好きだけじゃなく、別の言葉にも置き換えられるので 使ってくださいね

【張り手 (はりて)】
ファーストシーン(ストーリーの始まり)の魅力を出す方法の一つ

開巻早々、見ているものを脅かし、一体これはどういうことになるんだと疑問をもたせて、引き込ませるやり方。

つまり、いきなりショッキングなシーンを出す事によって引き込ませる方法


しかし、それには観客の意表をつく事。
ありきたりのパターンでは無意味です。

欠点としては、いきなり事件(結果)が起こるため、「実はこういう事だった」という 説明(後説)になる欠点があります。

関連

後説
毒消し法

【飛躍セリフ (ひやくせりふ)】
省略手法の一つ。

飛躍は順次からいって、次はこうなるだろうと予測しているときにその予測を一つなり二つなりを飛ばしたシーンやセリフにすることです。

セリフがわかりいいと思うので、例にとってみます

(1)『くそー、一足遅かったか。(2)ルパンめ、まんまと盗みよって』
(3)『いいえあの方は何にも盗らなかったわ。私のために戦って下さったんです。』
(4)『いや、奴はとんでもない物を盗んでいきました。』
(5)『?』
(6)『あなたの心です』
(7)『…。』照れる

これはルパン三世 カリオストロの城から取ったセリフですが、セリフの飛躍による面白さで、ニクイほど簡潔です。

1〜2のセリフは何を盗んだのかわからないままですが、普通なら宝とか物を盗んだと思います。3では、それをより確定させてます。でも4で『いや、』と逆の答えを出してしまうのです。
順序を踏んではいますが、反語を出している面白さです

そこで、5の方は『?』と無言です。そうしますと、今度は返事をしていた方が、積極的に6の『あなたの心です』ときます。恐れいりましたとでもいうところを「照れる」とぶつけています。

効果的には 新鮮味、意外性を感じさせる事が出来ます。重要なセリフを盛り上げる方法としても良いです。

(おそらく一番セリフ法で簡単です………。漫画ブリーチでよくみます)

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