小説(MAIN)

□第5話
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──そこは岩山と砂地が、ただ某漠と広がる荒野…


なぜここにいるのだろ…。私は虚ろな頭で考えていた……


吹きつける風に結んでいない髪をなびかせながら、私はポツリと立って。



あるのは砂と岩山と、風に乗って漂ってくる血の臭いだけだった…


私の目の前では大量の竜が死んでいる。


その真ん中で誰かが立っており、手には剣が握られて、全身は返り血をあびている。背丈からして十代前半くらいだろうか。


──その人の姿はぼやけていて、顔まではよく分からなかったが、しかし1つだけ分かったのは…、その人は泣いていたことだった……──


──なぜ貴方は泣いているの?──


──その人が泣く理由など私には分からない。
だけど私には悲しみが伝わってくる。


──そしていつの間にか、私の頬を一粒の水滴が流れていて、私はそれを指ですくった。


──だが突然目の前が真っ白い光に包まれ、荒野も竜の死体も、全てが消えてしまった。


──それとともに私の虚ろ状態の頭もはっきりし始め、辺りを確認した。


エリス「………どこ?、ここ…」


辺りは真っ白な空間で、地面に立っている感じがしない。
むしろ地面は無く、体自体が宙に浮いているような感覚で、足を動かしても前に進むことはできない。



(驚きましたか?)


──また声が響いた。炎に包まれたあの時聞こえた声が…





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