小説(リクエスト)

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これはエリスが旅に出発する前の話です。
この日僕は、前日にたまっていた仕事を片付けて、その日一日は休暇を取っていました。
これはその日に起こったちょっとした出来事のお話です。


一日休暇を取った僕は、その日は屋敷の自室で読書をしていました。
窓辺のカーテンからそよ風が吹き込み、僕は読書の合間に紅茶を飲んでのんびりとしていました。
隊長としてではない、アークとしてのこの一時は僕にとっては唯一の──…

─コンコン…

──と、僕は紅茶の味と香りを楽しんでいると、誰かがドアをノックしてきました。

「失礼致します…」

かしこまって入ってきたのは屋敷のメイドのテリ≠ウん。
歳はロアンと同じくらいなのに物腰は落ち着いていて、いつも笑顔。そして何より紅茶を煎れるのか上手なんです。
因みに今飲んでいるのも彼女が煎れてくれたもの。

アーク「どうかしましたか?テリさん」

テリ「アーク様にお客様です」

アーク「そうですか。どちら様ですか?」

テリ「姫様でございます」

──コトン…

この時僕は固まってしまい、ティーカップが指から絨毯へと落としてしまった。

まぁ僕に休みなんてないわけで……



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