BASARA短文
□春の嵐
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「春だねぇ…」
「…」
「ね、なんか反応しない?」
「うるさい」
「状況が状況なんだからさ。こればっかりはいくら忍でも、どうしようもないでしょ」
「黙れ!私に触れるな!」
ここはどこぞの山の中。
大将より命を遣われ、ばびゅんと飛んで偵察用の凧に掴まって。
お空の上でかわいいあのコ・上杉の忍かすがに出会ったまでは順調だったこの仕事。
いやー、今日もイイ女だね、なんて挨拶すれば、決まり事のように飛んでくるクナイ。
うんうん。それが挨拶代わりなんだよねぇ、と軽々止めて笑ってみせたら、「その締まりのない顔を私に見せるな」って言われちゃった。
うん。だから、ここまでは良かったんだよ。
いや、俺様的には、今現在のこの状況の方が有り難いんだけど。
何てゆーの?
目の保養みたいな?