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□佐助日記〜苦悩〜
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北端の地にて、重税に耐えかねた農民による一揆が勃発した。
その一揆鎮圧後より、主の様子がおかしい。
なんかやたらブツブツ言ってる。
女中になんか頼んでる。
いきなり飛び跳ねては、「違う!もっと、こう…」
やっぱりブツブツ言ってる。
「…旦那?」
あまりにも変なので、躊躇いながらも声をかけてみる。
「ささささ佐助ェ!?い、いつからそこにいた!?」
ずっといましたとも。
が、正直にそう言えば、きっと炎を纏った拳が飛んでくる。
「ん〜、ついさっきだよ」
在り来たりな嘘を吐く。
「…見たか?聞いたか!?」
「何のこと?」
こうやって惚ければ、それを信じるのが我が主。
素直すぎて心配になる。
「それならいいのだ。悪いが、下がってくれないか?」
「はいよ、退散っ」
こりゃ何か企んでるな、と思いながら部屋を出る。ま、検討はつくけど。
翌朝、背に『お館様命』とでかでかと書かれた、真っ赤な法被を着込んだ主と鬼兵が、「おやっ!かたっ!!さむあぁぁぁ!!!」と叫びながら、激しい屈伸運動をしていた。
俺の第二衣装がお館様法被に変わっているのに気付いたのは、大将より偵察の命を受けた後だった。