BASARA短文

□春の嵐
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一見険悪な、だけど何時ものやり取りをしていると突然物凄い強風に煽られた。

所謂“春一番”ってやつだけど、それだけなら『うわー、強い風だなぁ』で終わってた。

でも、風を頼りに漂う凧にとっては致命的なわけで。
そして、それに掴まって飛んでた俺たちも同じ運命を辿るわけで。

あまりに突然で、そのまま一緒に飛ばされてこの山に墜落。

俺は木に引っかかることもなく、上手い具合に落ちてすぐ抜け出せたけど、かすがは凧ごと木に引っかかってるわ、凧紐が枝や骨組みを巻き込んで複雑に絡んじゃって、いくら縄抜け名人の忍と言えども簡単には抜け出せなくなってた。
その有り様がちょっと色っぽいな、とか思っちゃう俺様って、もしかして変態?

そんで、冒頭の会話。

こんな状況でさえそんな強気な態度とれるなんて、流石としか言いようがない。

「俺様だって、動けない相手にどうこうするほど落ちぶれちゃいないよ?」

もがけばもがくほど絡まる紐に苛ついているのか、そんな状況を俺が見ているのが気に入らないのか。

まぁ両方なんだろうけど、かすがからは凄まじい殺気が放たれている。
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