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□隠(なばり)の太公望【NORA】
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池に落ちてはもがき暴れ、力尽きて沈んだところをオレがいつも釣り上げる。
いい加減、泳ぎ方くらい覚えろってんだ。


「う、ウルセェ!とにかくテメェに助けられなくたってオレ様は死なねぇんだよ!」

「こんなことで死なれても困ります。それと、助けられたくないならもう、魔王様に楯突くのを止めたらどうすか?」

「あのドブスがこんなニンゲンみてえな姿にしなけりゃ止めてやるよ。大体なぁ、なんでお前いつもここにいるんだ?」

「なんでって…釣りっすよ」

「『つり禁止』って書いてあるじゃねーか。それにここ、魚いんのか?」

「さぁ…アホ面したクソガキならしょっちゅう釣れますがね」

「リヴァン、テメェ…!!」


売り言葉に買い言葉。
ちょっとからかえばすぐ飛びかかってくる。


「力任せじゃあ、オレには勝てない。いつも言ってるでしょ」


勢い任せの拳を扇子で受け止めれば、歯を食いしばりオレを睨み付ける。


「テメェみてぇなフヌケ野郎に、策なんざ必要ねぇ!!」


―――ドプンッ


なんの捻りもないただの蹴りをかわせば、その勢いを保ったまま再び池に落ちた。
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