07/24の日記
01:04
知らぬ名を呼ぶ
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「おや…」
藍色の空と紫の雲を見た
幻想世界にもないその雲の色は
神秘的で
何処か不機嫌なようにも見てとれた
広大に広がる藍色の空を覆い尽くさんばかりに広がり行く紫の雲に
僕は見とれて足を止めた
視界を埋め尽くすその空だけを見ていたいのに
人工物がそれを妨げた
「あぁ…しかし、やはり綺麗な空ですね」
夕刻なのに星も出ていない空
月すら見えないのは
きっとあの紫の雲が隠してしまっているのだろう
月すら隠す紫の雲だというのなら
雲に隠された藍色の空は何なのだろう
ただそこに在るだけなら
いつもの空の色でもいいではないか
何故紫の雲と共に現われたのか
「存在する理由が必要ですか?」
ならばこう考えてみよう
あの紫の雲を守る為に、藍色の空は現われたのだと
自由に広がる雲が淋しくないよう、藍色の空は寄り添っているのだ
藍色の空に守られて
紫の雲は安心して我が道を歩むのだ
「クフフフ…、紫の雲は奔放な性格ですね」
何者にも囚われないその性格は
きっと藍色の空には眩しく映るのであろう
「藍色の空を僕とすれば…紫の雲は誰でしょう…」
今
空を見上げてみても
紫の雲を呼ぶことは出来ない
もし今
この空を何処かで眺める者がいたとしたら
それは何かの運命かもしれない
今共に眺めることが出来なくとも
いずれ出逢えるような
そんな気持ちが溢れてくるのだ
「本当に美しい空ですね」
呼びたくても呼べない名前に
瞳から溢れた雫が頬を伝った
僕はまだ知らない…
あの紫の雲の名前を
あれ程美しかった空なのに
今はもう
藍色の空は漆黒に変わり
紫の雲の隙間からは月が姿を現し出す
神秘的な時間は…
間も無く終わる
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