08/11の日記

00:59
二人の覚悟
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―――目の前に立ち尽くす彼の瞳は真直ぐで

―――その瞳から迷いは感じられなかった



『駄目っ、考え直して!!お願い!!』



―――――私の目の前で…



「もう決めたことだァ゛」

『嫌っ、分かってるの!?二度と元に戻ることはないのよ!?何でそこまでっ』

「煩ェ゛!!最初に言った筈だ、お前でも俺の剣の道に口出すことは許さねぇと!!」

『分かってる…、だけど………スクアーロ…』



―――私も言った筈よ…

―――私は…剣を強く握り締める貴方のその手が好きだと…

―――私に優しく触れる指先が素敵だと

―――なのに貴方は



「目の前の相手は、それだけするに値するってことだァ…。それは、今剣を交えてる俺が一番よく分かってる」

『けどっ…腕を切り落とすなんてっ…!!』



―――涙は止まらない

―――だって…分かってる

―――貴方の意志が、ここで私が泣いたって、説得したって、変わることがないことを

―――だって、彼の剣への想いを一番理解しているのは、私だもの

―――それでも



『XANXUSお願い!!スクアーロを止めてよ!!このままじゃスクアーロがっ』

「――…カスが自分で言い出したことだ、俺には関係ねぇ」

『そんな…私じゃスクアーロを止めれないのにっ……、私の声なんて…届かないのにっ』



―――泣き崩れる

―――でも、彼は止まらない



「すまねぇなァ゛…姫」

『ッ…馬鹿ァァァっ!!』



もうこの両腕で、お前を抱いてやることは出来ねぇ゛…

だが俺は、この勝負に負ける訳にはいかねぇ゛…

俺の剣技を………極める為に

アイツの名に、恥じぬように



『ッスクアーロ、――…嫌ァァァアアッ―――!!』



―――視界に映る紅い鮮血

―――零れ落ちる彼の一部

―――切り上げた剣から血が滴り落ち地面を染め上げる



―――――彼は腕を斬り落とした

―――――自らの意志で

―――――自らの手で



―――もう、彼のあの指先が私に触れることはない

―――両腕が私を抱き締めることはない

―――そして彼は、片腕を代償に、最強の剣帝を倒した



「勝ったぜぇ゛、あの剣帝になぁ゛!!」

『馬鹿…、ボロボロじゃない』

「………それがテメェの覚悟か」

「あぁ゛。これで俺の剣は、また高みへと近付いたぜぇ゛……っと!!姫?」



―――ボロボロなんて気にしない

―――無事帰って来た彼に思い切り抱き付いて、肘から先の無くなった腕を抱き締める



『お帰りなさい…、スクアーロ』

「あぁ゛、待たせたな」



―――優しく抱き返す彼はいつもと変わらなくて

―――また涙が溢れた



―――――こんな無茶をする貴方でも、やっぱり私は大好きで

―――――貴方に付いて行きたいと思う私は既に狂ってて

―――――そんな私は、貴方を――…



『愛してる』

「あぁ゛、俺もだァ゛」





―――――冷えた唇に熱き口付けを





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愛を叫んでたら本当に好きになっちゃったスクアーロの初SS(笑)
本当に突発的に思い浮かんだ内容で、スクアーロが剣帝キュールと戦った時のイメージです
どうしようもなくスクアーロが好きというスクアーロファンの気持ちがSSから伝わればと思って書きました
このSSの書き方、私的には物凄く書きやすいです
これなら一日に3作くらい軽くいけます!!

マガで配信したものに多少の加筆と、せっかく教えて頂いたので義手になる前の部分に訂正を入れて再編集しました♪

ヴァリアーネタもこれから沢山書きたいです

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