Labyrinth(話)
□5限目:傷跡
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「おわっ!?」
靴箱の前に立っていると、高杉が普段あげない様な妙な声をあげた
その声に反射的にそちらを振り返ると、高杉の足元には沢山の封筒が散らばっている
靴箱の中にもあることからして、恐らくは靴を取ろうとしたら靴箱から封筒が溢れ出してきたのだろう
足元に落ちた封筒を拾ってやりながらもその封筒の量に思わず苦笑した
「ラブレターか?色男だなァオイ」
「よく見ろや、封筒」
「…?」
拾っていた中から一枚の封筒に目をやると、それはそれは色気のない封筒で
しかも書かれているのが『果たし状』今時こんなベタな事をする奴がいるのかと逆に感心してしまった
「大変だねェ高杉」と他人事の様に言って自分の靴箱を開ければ、高杉同様数え切れないほどの封筒が溢れてきて足元に落ちた
「大変だなァ銀時ィ」なんて馬鹿にした様に笑いながら言う高杉を軽く睨みつけながらもその場に屈み込んで落ちた封筒を拾う
まァ3zは問題児の集まりだけあって喧嘩好きが多い。俺達もその中の一人な訳で…
たまには喧嘩したりもしていたが、こうやって靴箱に手紙を入れられたりした事は初めてだ
「…っ!!」
「ん?どーした高杉」
一枚の封筒に目をやった瞬間、高杉の表情が一瞬にして強張った
何事かと思いその封筒の差出人を確認しようと身を乗り出して覗き込めば、それを拒む様にしてその封筒をポケットの中に突っ込んだ
「何でもねェ」
「…ふーん?じゃあ良いけど」
ポケットに突っ込まれた封筒を気にはしながらも、取り敢えずは拾った封筒を抱えて教室に向かった
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