Sadistic MySister(話)

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「クソ兄ー!!」



ベットで横になっていると、意識の遠くから聞き慣れた声が聞こえてきた
その声により少し意識を覚醒させるも睡魔には勝てず再び眠りへと身を任せた…が、それが間違いだった



「起きろトシ兄ィィィ!!」
「ぐはぁっ!?」



声と共にドタバタとした足音が聞こえてきたかと思うと
先程無視した声の主が再び大きな声と共に寝ている俺の腹部に飛び膝蹴りをかまして来る。



「何しやがんだてめぇは!!」
「トシ兄が起きねェのが悪いんでさァ」
「もっと起こし方ってもんがあるだろォが!!」



溜め息を付きながら蹴られた腹部を押さえつつ上半身を起こし頭をかいて総悟へと視線を向ける
すると拗ねた様に此方を見据えている総悟は既に真新しい制服に身を包んでいた

(あ、そういや今日入学式だったな…)

普通なら入学式には在学中の生徒は休み。
しかし残念ながら風紀副委員長として生徒会に所属している俺は今日も登校しなければならない
仕方なく起き上がって寝巻きを脱ぎ制服を手に取ると、総悟はパクパクと魚の様に口を開きながら顔を真っ赤にして此方を見ていた
…かと思うと、枕を手に取り俺の顔面に力いっぱい投げつけてきやがった。



「デリカシー無さ過ぎでさァ、トシ兄の馬鹿野郎ォォォ!!」



そんな捨て台詞を吐いて総悟は俺の部屋から出て行く、俺が一体何をしたというのだろうか…
訳の判らないまま取り合えず投げつけられた枕をベットに戻し着慣れた制服に袖を通す
鞄に必要なものを詰めて部屋を出ると、玄関で総悟は腕を組んで仁王立ちをして待っていた。



「朝飯、トシ兄が寝坊した所為で食べる時間無いですぜィ?さっさと靴履いて下せェ」
「…マジでか」



ショックを受けながらも入学式早々妹に遅刻をさせる訳にも行かず、泣く泣く朝のマヨネーズを我慢しながら靴を履く
普段なら寝坊してこの様な事になるというのは有り得ないのだが、今日は迂闊にもアラームをセットするのを忘れていた為である
まァマヨネーズが食えないのはその所為だとしても、朝の飛び膝蹴りに始まり枕を投げられたり云々は明らかにこの困った妹が原因だ
これからずっとこんな朝が続くのかと思うと自然と溜め息が零れた。















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