Sadistic MySister(話)

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通りなれた通学路の見慣れた風景…そんな中でかすかに違和感を感じるのは、多分隣に総悟が歩いているからだろう
真新しい制服を身に纏い少々ご機嫌な様子で鼻歌を歌って歩いている妹は、歩く新入生達の注目を集めていた。
何せ性格はどうあれルックスだけはいい奴だ、中学の頃から狙って来やがる男は多かった(全部俺が締め上げはしたが。)
それが高校ともなればもっと色んな奴から注目される事は必須…その事を考えるだけでも頭が痛くなりそうだ
はぁっと盛大な溜め息を付きつつふと顔を上げると視界に入った眩しいほどの銀色に思わず表情を顰めた。



「やっほー多串君」
「土方です天パ先生」
「煩ェな、好きでくるくるしてんじゃねェよ…って、あれ?」



自分の頭を触りながら話をしていた男、坂田銀八は急に視点を俺から隣の総悟へと変える
暫くまじまじと見た後に小指を立てながら「多串君のこれ?」なんてにやついた笑みで聞いてきやがるからその指を反対向きに折り曲げた
確かに俺と総悟は似ていないとはいえ、その聞き方は生徒に対してデリカシーが無さ過ぎる…というか聞き方が古い。
「妹です」と簡潔に説明すると銀八は興味津々で更にじっと総悟を見つめている
総悟はそんな銀八に「お早う御座います新入生の総悟でさァ、初めやして」と普段俺には絶対に見せないような笑顔で猫被って挨拶をした。



「うわー良い子じゃねェか、多串君と違って」
「一言余計だクソ教師」
「総悟なら…総ちゃんで良いな」
「人の話を聞けェェェ!!」
「そんじゃ、俺会議あっからお先〜」


必死のツッコミも軽く受け流され、先を歩き出したかと思うと、再び足を止めて此方に戻ってきた。
そして総悟の顎を掴んだ…かと思えば頬にリップ音を立ててキスをし、満足げな笑みを浮べた。


「忘れ物。お近づきの印って事で」
「………っ!?」
「テメェこの腐れ教師!!」
「何多串君やきもち?でも俺男にする趣味ねェんだわ、御免な?」
「違うわボケェェェ!!」


んじゃ、と手を振って少し小走りで先を行く銀八を俺たちはただ呆然と見つめる事しか出来なかった
(教師ですらこれたァ、先が思いやられる…)













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