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□ねこのここねこ。
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『おいで〜そうご〜』
…俺は今すっっっごくイラついている。
『そうご、ミルクだぞー?いっぱい飲もうな?』
…けど同じ位ムラムラしている。
『あ、零れた…もう良いのか?じゃあ次は一緒に寝るか』
…やっぱムラムラの方が上かも。
『こら、擽ったい…舐めちゃ、ん…ダメだろそうご』
『にゃーん』
『…もうやめて下せェ』
耐えられねぇ。
土方さんは、不思議そうな顔で俺の方を見た。
『何で?可愛いだろ総悟。見ろよこの寝顔』
『猫相手に“そうごそうご”言うのやめなせェ』
そう、気づいた人も多いだろうが、今の土方さんの
言葉は全部猫に向けられたものだ。(誰に話してんだ俺)
『だって薄茶色で総悟みたいだし…名前は適当に呼んでって言われたし』
なーそうごー、と、土方さんはまた子猫を撫ではじめる。
土方さんの膝で丸くなってやがるのは、まだ生後一ヶ月経たないくらいの猫。
土方さんの友達が旅行の間預けて行ったらしい。
『夏休みで良かった、三時間毎にミルクとか大変だよなぁ』
『…そんなちみっこいの、何で預けるんでィ』
『どうしても親父さんの都合でこの時期になっちゃうんだと。…海外旅行かー、海とか良いな』
俺だって土方さんと海行きたい。今日だって最初は
遊びに誘おうと思ってたのに、来てみたらこの状態だし。
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