H×B

□アマノジャクポリシー
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炎雪が壊すための相手として出逢った『だけ』の後輩に興味を抱き、恋人関係になったという予想外の『状況』を楽しんでいる中。

私は携帯電話の着信履歴にある人物の名前が日に日に増え続けている事に気付いた。

音が鳴って自分の時間を邪魔されることが不快だから普段からマナーモードにしてる携帯が休みの今日も震え出し、私は読んでいた文庫本から視線を外す。

―ああ。また、あの子から―

背面のディスプレイで着信と名前を目で確認しながら、私は携帯を手に伸ばさず、また本に視線を戻した。

「電話を心待ちしてるように思われるのも、ね」

すぐに出るのはシャク。どうせ間もなくしたらかかってくるのだし。

そんな風に最近では彼女からの電話のみで呼び出しの用が足りる。
向こうが私に慣れたのか、それとも心境の変化があったのか、徐々に喧嘩腰な姿勢が緩まり、新たな発見や出来事を報告してくる。

観察が趣味の私としては興味のある話はある。でもそんな彼女に私は釣れない口調で返す。

それが彼女は不満らしく、ちゃんと話を聞いてもらおうとしているのか熱心に電話を寄越してくるようになった。

最初は一方的に私から連絡を寄越すだけの理由で、彼女の方は渋々と警戒しながら番号を教えたのに、やっぱり人が変わる過程は面白い。
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