H×B

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秋の訪れを感じさせる昼休み。

槙先輩がクラスメートにお昼を誘われ、私は一人で食事することにした。

なら、と早めにお昼食べて通学路の通り道のベンチで、作品展に出さなければいけない作品を完成させようとスケッチブックを広げた。

―でも、ちょっと、休憩しよっかな…―

なんとなく、なんとなく。

ふっと思いついた人物をサラサラと描きだす。

―あ、わりと似てるかも―

なんて一人きりの満足に浸っていた時、遠くから「ゆかりーゆかりー」っていう平和極まりないトーンの声が聞こえてきた。

「…はいはい、ここよ。…はあー」

その声に私はため息を吐いて、気だるく返事を返す。

嫌なら無視すればいいんだけど。…でも別に嫌ではないし。

―そっそれに前に無視したらいきなり後ろから飛び付かれて思いきり地面に顔をぶつけたことがあるし…―

ぶつぶつと呟いていた私の背中にぴょんと軽くものが寄りかかった。
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