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□日常茶飯事
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休日のお昼。
私、こと平沢憂は友達との約束がなくて、お姉ちゃんも同じく友達と予定も部活もないみたいで。
「ふんふんふーん」
居間の真ん中で、暇をもてあましてゴロゴロしているお姉ちゃんの姿を台所から微笑ましく思って眺めていると、お姉ちゃんのお腹の虫が盛大に鳴いた。
「ごっごめんね。もうちょっとだからっ」
慌てて流し台に戻り、ショートケーキ用の生クリームを作るための氷水をボールにいれて泡立て器を握りしめると、背後からふわふわした声が聞こえてきた。
「えへへ、大丈夫大丈夫ー」
「待てなかったら買っておいたお菓子食べてもいいけど…」
私は傍らにあった市販のクッキーを手にすると、お姉ちゃんは子犬みたく小走りに近寄って来た。
ひらひらさせてクッキーを見せるとお姉ちゃんは小さく首を横に振る。
「んー、待ってる」
「でもこれ混ぜ終わるまでもう少しかかるし、デコレーションもしなきゃだからまだ時間かかっちゃうよ?」
「う、憂の手作りケーキなるべく多く食べるには市販は我慢我慢…」
「お姉ちゃん…」
感激しながら早く食べさせてあげたいと手では素早く作業をする。
さっきとは違うボールに生クリームをいれて、グラニュー糖を加えたその時、突然お姉ちゃんは短く声をあげた。