NOVEL
□片想い
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「私、好きかもしんない」
突然言った私に蔵は目を丸くしながらこう言った
「誰が?」
俺のこと?と言わなかっただけまだマシかな。
いつもなら冗談混じりに言うしね。
「あ〜…えっと、金ちゃん…」
「金太郎…?何やお前年上好きやったん違たんか?」
人差し指を立てくるくると回す
「前まではそうだったんだけどね。ほら、金ちゃんて母性本能くすぐられるってゆーか」
蔵は「ふーん」と言って机に肘をついた。その肘をついた腕の手に顎を乗せる
「金太郎、あんなでももてるで?」
「知ってるよ。テニス部の皆カッコイイとか何とかでもてるらしいね」
蔵はまた「ふーん…」と言った。今度は先程よりも不服そうに。
そんな蔵に私は何故か笑ってしまった
蔵はそんな私を見て苦笑した
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