ホモ部屋

□素直が大切
1ページ/3ページ

部室での他愛のない会話。

「財前、好きやで」
「そうッスか、俺は嫌いです」

心にもない台詞を口にして、笑った。
素直になりぃや、なんて言われて、笑われる

何てない日常。部長が居って俺が居る。


「そいや、」

何かを口にしようとして止めた白石部長。
何やあったんやろか。
そう思って白石部長と同じ方向を見る。そこに居ったんは千歳先輩で。

「何ばしとっと?」
「何もやっとらへんよ」

にこやかに笑って質問に答える白石部長。


何や苛つく。

他人に向ける笑顔は俺に向ける笑顔とは違う気がする。

先輩と後輩ってだけの関係で繋ぎ止めて、別に付き合ってるわけやないし、しゃあないんやろうけど


190センチ以上の巨体がこっちを見て言った

「邪魔しちょる?」
「……いや、んなことないッスよ」

心にもない台詞。流石に笑えやんわ


「俺的には邪魔やけどな」

笑顔が消えた白石部長にドキンとした。

もしかして、俺に言った…?


疑心暗鬼、っていうんやろか、いや、違う気する。


「そうか」

なんて言って出ていく千歳先輩を横目で見る。


 

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ