ホモ部屋

□好き。嫌い。
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なぁ、千歳先輩。俺んこと好き?

問い掛けは虚しくもテレビの音に掻き消されて。どうしようもない空虚感がただ、胸を占める。
この人は俺の気持ちなんて知らんのやろな

好きで、好きで好きで好きでしゃあないこと
気付いてないんやろな。

テレビなんて消して、俺の気持ちに気付いてえや。お願いやから。思えば思うほど辛くて。

腕を引っ張って、千歳先輩を押し倒した。
千歳先輩の体に跨って問い掛けを1つ。

なぁ、千歳先輩。俺んこと好き?

答えなんて知りたくないくせに聞いて。
何がしたいんやろか、

「好いとうよ。後輩として。」

一線。釘を刺すように言うもんやから、望みは無いって分かってんのに。
軽く触れるだけのキスを1つ交わした。

「セフレでも哀れみでも何でもええから、抱いてください。」

こんな惨めなことを懇願してしまうくらいにこの人を愛していて。

俺の目尻に溢れる涙を拭って、千歳先輩は言った。
「光君はそれで良かと?」 
強い眼差しで見つめられながら言われる。
罪悪感とかそんなもの捨てること出来るくらいやったら千歳先輩のこと好きになってへんスわ。
声にならない声で、
それでもええです
言うたら頭を撫でて苦笑された
 
触れて、好きって気持ち分けれたらええのに。
消えてなくならんくらいいっぱいあるから
別に困るわけやない
少しでも伝わればええのに。
 
泣き崩れた俺に哀れみのキスを落とした千歳先輩は困ったように笑った。

なぁ、千歳先輩。俺んこと嫌い?



END。
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