ホモ部屋

□お揃いピアス
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「なあなあ、光っ」

ピアスを見つめて右手を振って呼び掛ける。

俺は今新しいピアスが欲しいって言う光と一緒に買い物に来ていた。

「どんなんスか?」
「これこれっ」

指を差して言うと、えー。と不服そうな声を上げた。

「何、星ってありえへんでしょ」
「ちょ、何言うてんねん、めちゃめちゃカワエエやん」
「そんな女子がするようなやつ嫌ッスわー」

光は近くのピアスをまじまじと見つめた後、1種類手に取るとこっちに突き出して来た。

「これ、先輩に似合うと思いますよ」

見ればそれは、水色の小さい丸いピアス。

「あ、でもこっちでもええかも。」

十字架の形をしたピアスを指差して言った。

「でも穴開けんのって怖いやん」
「そんなん言うてるから彼女も出来ひんのですよ。」

光はピアスの仰山付いた自分の耳たぶに触れて、
「耳冷やして、消しゴムで挟んで安ピンで「わー、わー、そん先言うなー」」

話を途切れさせられた光は不服そうな顔をして見せた。
そんな顔されたかて、怖いもんは怖いねんて。

「…へたれ。」

ぐさり、と来る一言を吐かれて溜息をつく。

「せっかく謙也さんとお揃いで付けたかったんに」

そう呟きながらピアスを戻す光。
ちょ、え、ちょ今何て言うた?お揃い?

「そうゆうことは早よ言え!」

ぽこん、と軽く頭を叩いてたった今戻したピアスを取る。
ついでにピアッサーも。

怖いけど、恐いけど。

光ん為やったら恐怖なんて、恐れはしないさ。


おわり


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