ﾎﾓ部屋
□好いとうよ
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「理由はなか」
ﾆｺﾆｺと酷く吐き気のする笑顔をこちらに向け、手を絡み取った千歳先輩を睨み付けてやる。
「手、離してください」
ｲﾗｲﾗする、
吐き気する、
目眩さえして、
「手、離してくださいって」
耳も手も熱くなる。
強い口調で言ってみても、離す気配はなくて、
尚も強く手を握る相手は
「好いとうよ」
何て。
やめろ、やめろ、やめろ、
聞きたくない、こっちはそんな言葉求めてもいない
「やめやｯ！」
思わず口に出してしまって、
驚いて手を離した千歳先輩を振り払うように
歩みを進めて、
あぁ、頬が熱い、
END
「俺のこと好いとるん丸分かり…」
くくっ、と笑って歩いて行った後輩を見つめる
財前に触れていた手にｷｽを落とした
「好いとうよ」
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