ホモ部屋

□Love With Notice
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「千歳先輩。」
「ん?」

外を見て言うと、千歳先輩もつられて外を見ていた。

「昨日の、あれ何なんスか」
「昨日の?」

伝われや、ってツッコミたかったけど止めた。
そんなこと言った所で伝わらないだろうし。

「覚えてないんやったらもうええッスわ」

何で好きって言ってきたのか、だとか本心なのか、とか聞きたいとは思う。

本心とか言われてもそれはそれで困るのだが。


「…好いとるって言ったことばい?」
「もうええって!」

(あ。ヤバイ)

そう思った時には遅くて。

腕を引っ張られ、引き寄せられた。
胸元にすっぽりと収まってしまう自分が憎い。

机を挟んで抱き締められてるからか、胸がドキドキする。


「むぞらしか」

むぞらしかって何だろう、なんて。
ドキドキしてるくせに頭は冷静だな、とか思った。


「はな、してください、」

ドキドキのせいか声が出しずらくて。

「離したく無かと」

そう言うと、抱き締めがキツくなった


睨み付けると、にこっと笑って。

「真っ赤ばい」


とか言って、不意に千歳先輩の唇と唇とが触れた





end


チャイムの後、解放されて。

去っていく千歳先輩を見て気付いた

(もしかして、俺あの人のこと…)


(好きやもしれへん)


 
 
 
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