現在

□カリスマ。
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西の都からジェットフライヤーで一時間程。


今期最大のモーターショーが開かれる会場は、多くの関係者と見物客に溢れていた。


その中の1人。
否が応でも周りの視線を集める男は、強く舌打ちをする。


ブルマに言われるがまま、会場の中の一つ。


カプセルコーポレーション社の、新商品が置かれたブースにまで来てしまった事を早くも後悔していた。


周りの視線が彼に突き刺さっている。


その中には、女性の憂いに満ちた視線も少なくなかった。


「あら。ベジータ来てくれたの?」


「来なければ重力室を撤去する、飯も抜きだと抜かしてやがったのは何処のどいつだ。」


ブースの壇上の上。


薄いグレーのスーツに身を包んだブルマが、ベジータの姿を発見し降りて来た。


「だって、今回の研究にはあんたも少し貢献してくれたじゃないの。」


「貢献だと?」


「そうよ。一週間位前に父さんから色々聞かれたでしょ?あれよ。」


…一週間前。


確かにブリーフから、色々と質問を投げかけられた。


強度はどの位がいいだの。


車体のカラーはどれにするなど。


夕食を頬張りながら、上の空で返答を返していたのを今更ながら思い出した。


それがまさか、今回の研究に繋がる重要なモノになるとは知る由も無い。

ベジータは、ブルマの奥にと視線をずらして、今一度飾られている車体に目をやった。
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