現在

□全てベジータの仕業。
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「はぁ〜。」


私は、紫煙と共に深い溜め息を吐き出した。
銀色の灰皿には、既に吸い殻が数本押し付けられている。


まだ半分も吸っていないのが殆ど。
これ程マズい煙草もアイツが原因。


「信じらんないわ。」


何故こうもこき使われるのか。
忙しない日務の合間を縫って、出来る限り要求に応えていると言うのに。

『おい。まただ。イかれたぞ。』


もうウンザリ。
内線越しの男の声は、雑音にしか聞こえない。


電源をオフにし、プラグまでも引っこ抜き私は机の上に突っ伏した。


(もう寝かせてよ。)


何日もロクに寝ていないのもアイツが原因。


何時の間にか、アイツの背中を視線で追うようになった日から。


いくら追い出しても、私の脳裏にアイツが浮かぶのよ。


惚れてる?
バカな事言わないで。
どうかしてるわ。


「おい!女!」


耳元で喚かれたって、目を開けたりするもんですか。


私がどんだけ、あんたを心配してもどれだけ怒声を張り上げても。


あんたの耳に届く事は無いんだから。
だから、悪いけど。


私も無視を決め込むわよ。


肩を強く揺さぶられても動じない私に業を煮やしたのか。


アイツは強く舌を打ち付けて部屋を立ち去った。

煙草がマズいのも。
寝不足なのも。
研究がはかどらないのも。
食欲が湧かないのも。
溜め息ばかり出てくるのも。


ぜーんぶ。


あんたのせいよ。


だから。


この位の報いは当然よね?
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