現在
□自分説明書。
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とかく地球人は珍妙な人種だ。
この女に関して言えば殊更。
挙げるだけでキリがない。
「ベジータ。やっぱここに居たんだ?」
この俺に対して平然と口を聞くのもその一つ。
大抵は恐れ震え上がるか、媚び諂うかの二つに一つだと言うのに、女にはそれがない。
「…何だ?」
怒気を募らせ追い返そうものなら、その倍は言い返してくる。
殺すのは簡単だが、それをするには惜しいと思わせる頭脳を女は持っている。
この建物の中心に位置する中庭。
自然のまま群生する木々や花々に囲まれた中庭は、俺の精神統一の場でもある。
そのテリトリーを下品な格好でづかづかと踏み荒らす女に低い声音を浴びせれば、何やら含み笑いをして俺の隣に腰を下ろした。
「いい天気ねー。」
「何だと聞いている。」
「何よ。用がなきゃ声かけちゃ駄目なの?」
蒼の空を眩しそうに見上げたかと思えば、眉根を寄せ頬を膨らませる。
クルクル変わる表情は見ていて飽きる事が無い。面白いとも愉しいとも感じ始めたのは、極最近か…。
戦闘民族サイヤ人には、あるまじき感情だな。
俺が自嘲気味に口端を釣り上げるのを、隣の女はマジマジと見据えてきた。