現在

□限界。
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「な、何なのよ…。一体。」


汗だくになりながら、開かれた碧眼。
苦しんでいるとしか見えない表情にブルマは思わず手を伸ばした。


と突然。


「触れるなっつ!!!」


ッツ!!!バリッツ!!!!


響く怒声と、電気が走り抜けた様な音。


それが部屋中を走り抜けると共に、ベジータの体の周りをバチバチと放電が走った。


「きゃあっつ!!」


その凄まじいエナジーにブルマは成す術無く、ベッドの上に放り出される 。


「…くっ。」


まるで抑えが効かない猛獣を体の中に飼っているかの様に、ベジータは身悶えた。


そして、その体はテラスから一瞬で飛び去ってしまった。


その姿を追う間も、咎める声を上げる間も無い程、一瞬で…。








「っつ!!!!!ぐがああぁっっつ!!」


コントロールを失った体。
抑制すら出来ないまま、それでも何時の間にか人気の無い広野にと来ていた。


そこで、半径およそ一千メートル先の岩石までをも全て破壊しつくさせ“気”を放出させる。


暫くして、少しだけ落ち着きを取り戻したベジータは、肩で荒く息を吐き出した。


こんな筈では無かった…。
昔とは違い 、無茶なトレーニングはしていない。

常に限界を察知して、そのギリギリまで体を追い込む。


それは、ここ何年も変わっていない。


が、どういう訳か…。
超化した時に増す軽い興奮状態が、年を重ねる毎に増加していたのだ。


自身の体の中を渦めく醜い獣の血。
戦う場があったならまだしも、今はその捌け口も無い。


微弱な女の気を察知する度に、全身総毛立つ感覚に襲われる。


強い禍々しいまでの興奮と欲情は、幾度暴挙を働こうとしたか数知れない。


故に女を避けて来た。
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