現在
□限界。
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「…阿保が。」
途端。
ベジータは全身の力が抜けるのを感じた。
この女は、傷つけまいと避けて来たのを妙な勘違いで心を痛めていたらしい。
バカバカしいと思うも、彼女なりに必死だったのだろう。
「下らん。俺は好きでも無い女の唇を堪能する程、下等では無い。」
汗ばみ白い肌に張り付いた蒼の髪。
よれた化粧もそのままに、満面な笑みを宿した女。
その全てを心から愛おしく感じる。
と同時。
ベジータの体に異変が起きた。
あれ程、抑え付けようともがいていた醜い獣の血が、すんなりと引いたのだ。
共に超化も解かれる。
「ベジータっつ!」
その鼻腔を擽る甘い香りと、何処までも細く白い体。
それがベジータの腕の中に、飛び込んで来る。
「スパークの原因。ただ私に会いたくて、触れたかっただけだったりして。」
くすりと耳元で笑われた。
「馬鹿な。」
と返答を返すも、その要因は確かにあったかも知れない。
「私も反省しなきゃ。あんたを野放しにしたら、それこそ何しでかすか分かんないわ。」
ずっと仕事づくめで、C・Cに戻る事も少なくなっていた。
それが、まさかまさか。男の体内機能までに異常をきたすなど知る由も無い。
「ねぇ。今から無理行って一週間休みを貰うわ。あんたと過ごす為に。トランクスもママに預けて2人きりで旅行とか素敵じゃない?」
その問い掛けには無言で返す。
素直に悪くはないと思えた。
…が。
「まずは、この肌を堪能するが先だ。」
何処までも白く柔らかな。
ブルマの首筋に口付けを落として。
ベジータは呻く。
「…覚悟は出来たか?」