現在
□再会と嫉妬。
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「ブルマ!久しぶりっ!私よ!フロート!覚えてるっ!?」
忘れる訳も無い。
昔からのブルマの幼なじみで、ハイスクールの時まで大親友だった。
彼女が唐突に転校するまでは、ずっと仲良くしていたのだ。
『ぜーったい。いい男ゲットして。幸せになりましょうね!お互い!』
彼女と最後に交わした約束も、鮮明に思い出せる。
「今日、この都に戻って来たのよっ!そしたら、案の定迷っちゃって、道を聞いたら偶然、ブルマの旦那様だったって訳!ビックリしたわよ!」
昔から変わらない笑顔。男に媚びたりは決して無い。
強気勝りな性格も、ブルマにどこか似ていた。
「そ、そうだったの?前から連絡位してくれれば良かったのに。」
これが普通の再会だったなら、心底に喜んで彼女と抱擁も交わしていた筈。
それが出来ない理由を考え、自分自身に辟易した。
子供を儲け、すでにいい年だと言うにも関わらず、激しく嫉妬してしまった。
感情に後悔はするものの、内なるモヤモヤは晴れてくれない。
夫の方を見やれば、怪訝そうな表情を此方に向けて居る。
ブルマの髪型の変化に気付いたか。
もしくは、その引きつり笑いの理由を模索して居るのか…。
「いい旦那様じゃないの!あの時の約束、果たしたわね。」
「え、えぇ。ありがとう。アナタは?」
久しぶりの再開に、会話も弾む。
お邪魔だからと、立ち去ろうとする彼女を強引にお茶に誘った。
このまま返してしまえば、子供がダダをこねて物を手に入れた様で後味が悪い気がしたのだ。