現在

□再会と嫉妬。
2ページ/5ページ



「ブルマ!久しぶりっ!私よ!フロート!覚えてるっ!?」


忘れる訳も無い。
昔からのブルマの幼なじみで、ハイスクールの時まで大親友だった。


彼女が唐突に転校するまでは、ずっと仲良くしていたのだ。


『ぜーったい。いい男ゲットして。幸せになりましょうね!お互い!』


彼女と最後に交わした約束も、鮮明に思い出せる。


「今日、この都に戻って来たのよっ!そしたら、案の定迷っちゃって、道を聞いたら偶然、ブルマの旦那様だったって訳!ビックリしたわよ!」


昔から変わらない笑顔。男に媚びたりは決して無い。


強気勝りな性格も、ブルマにどこか似ていた。


「そ、そうだったの?前から連絡位してくれれば良かったのに。」


これが普通の再会だったなら、心底に喜んで彼女と抱擁も交わしていた筈。


それが出来ない理由を考え、自分自身に辟易した。


子供を儲け、すでにいい年だと言うにも関わらず、激しく嫉妬してしまった。


感情に後悔はするものの、内なるモヤモヤは晴れてくれない。


夫の方を見やれば、怪訝そうな表情を此方に向けて居る。


ブルマの髪型の変化に気付いたか。
もしくは、その引きつり笑いの理由を模索して居るのか…。





「いい旦那様じゃないの!あの時の約束、果たしたわね。」


「え、えぇ。ありがとう。アナタは?」


久しぶりの再開に、会話も弾む。


お邪魔だからと、立ち去ろうとする彼女を強引にお茶に誘った。


このまま返してしまえば、子供がダダをこねて物を手に入れた様で後味が悪い気がしたのだ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ