現在

□自分説明書。
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「私はB型よ。結構当たってるの。」


過去の情景が一瞬脳裏を過ぎった俺に、女はズイと画面を押し付けて来た。


“ケイタイ”と呼ばれる通信機の一種の画面だが、これは通信機以外にも役割があるらしい。


そこには、こんな記述が載せられていた。


“B型は魅力的で明朗。話題豊富で異性に好かれます。”


「ね〜?あってるでしょ〜?」


俺が目を通したのに満足したのか、女は顔を綻ばせ同じく画面に視線を向ける。


「困ってる人をほっとけないし人情深いのもB型の特徴よ。」


だからあの時、あんたをほっとけなかったのよねー。
と付け加え、女は目を細めて空を見上げた。


形を変え浮遊する大小様々な雲に、反吐が出そうな程ゆっくり流れる安穏とした空気。


…あの時もこんな空をしていやがった。


『あんたも来たら〜?』

その時の女の一言で、俺は仮初めの宿に今も身を置いている。


カカロットのヤロウが戻って来るならば、この場所に居た方が雪辱を果たすに都合良い。


それだけの居住にしては、随分と居心地が良く感じられた所為か…。


食事は常に暖かなものが用意され、味も申し分ない。
常に清潔なベッドはめったに使う事は無かったが、泥の様に眠るには最適だ。


要の重力室。
俺が一度全壊させてからは、最大限の気弾を放った所で破壊されぬ強度に改良された。


付け加えての戦闘服も、低文明な惑星にしては悪くない仕上がりだ。


『何よ〜。ありがとう位、言えない訳〜?』


変わらず不躾な態度の女には閉口するが…。
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