小説

□嘘でも。(5p)
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風は陽の光をのせて
もう何度目になるか判らない、春を連れてくる。


「お、お向かいサン!いらっしゃい♪」

…彼は春というより夏だな。

「やぁディビくん。お邪魔するよ」

軽く挨拶(?)をして行こうとするが、やはり流せはしないようだ。

「デイビッド!…あ、そういやぁ、Bくんがお向かいサン恐怖症を克服しようとしてたぞ。…見に行ってみるか?」

「恐怖症ってねぇ…。でもまぁ、面白そうな取り組みだから行ってみようかな」


突然の話題に驚きはしたが、Bくんに会える口実ができたし。
それに、もし本当に自分を怖がらなくなってくれれば…そりゃあ嬉しい。


なんて考えながら、休憩室にたどり着いた。



…が。
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